出版社内容情報
探偵見習いの少女エマ・ハートリーと正体不明の少年ユージン。2人は蒸気機関都市で続く不可能犯罪に挑む! 空想科学世界を舞台にした絢爛たる探偵譚。
内容説明
毎朝配達される幻灯新聞が食卓に話題を提供し、港にはエーテル推進機を備えた空中船が着水・停泊。歯車仕掛けの蒸気辻馬車が街路を疾駆する―ここは蒸気を動力源とした偉大なる科学都市。進路に頭を悩ませる女学生エマ・ハートリーは、長旅から帰還した父を迎えに港への道を急いでいた。父が船長をつとめる空中船“極光号”の船内で不思議な少年・ユージンに遭遇したエマは、ひょんなことから彼と共に名探偵ムーリエに弟子入りし、都市で起きる奇妙な事件の調査に携わることになる。蒸気機関都市を舞台に贈る、少年少女の空想科学探偵譚。
著者等紹介
芦辺拓[アシベタク]
1958年大阪府生まれ。同志社大学卒。86年、「異類五種」で第2回幻想文学新人賞に佳作入選。90年、『殺人喜劇の13人』で第1回鮎川哲也賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
89
蒸気だけが発達した世界であるSFミステリー。最後にちょっとニヤリとできて面白かった。2014/10/08
雪紫
32
再読。蒸気、エーテル、名探偵、ボーイミーツガール詰め込み過ぎなスチームパンク系ミステリ。再読でも楽しい冒険と推理の世界。やっぱり怒りんぼサリーがめちゃくちゃキャラ経ちまくり。329ページと337ページで「ああ、これやりたかったのね。」と再読でも凄い納得感(でも流石にそれは気付かないよ)。エマの男装シーンに一部ドキドキしたのはわたしだけではないはず・・・。2020/09/15
橘
31
面白かったです。蒸気を原動力にした世界のお話。好きな世界観でした。疾走感があってするする読んでいたら、ラストに向けての謎解きに圧倒されました。やられた。自分の思い込みにびっくりです。登場人物たちもそれぞれ魅力的で、楽しい読書でした。2016/12/10
亮人
28
密林で酷評されてるから、びびりながら読んだが、これは面白い!!「SFミステリ」を冠しているが、蒸気機関とエーテルの動力源で社会が回ってるスチームパンクSFとして読むべきだ。歯車と蒸気のスチームパンク・ガジェットの数々に耽溺。専門用語にルビ多様の読みにくいのは「パンク」へのオマージュか?いちいちカッコイイ!(ミステリ詳しくないが)ミステリとしては、バカミスか?世界観を十全に生かしたトリックで面白かった。ただ最後の最後のは蛇足か笑。古き良き冒険活劇SFの香りのする心躍るスチームパンクでした!2012/11/01
もち
26
「そして聞かせて、あなた自身のことを、今まで黙っていたことを何もかも!」 蒸気機関とエーテル科学により、高度過ぎる技術水準を実現した倫敦。宇宙船の帰還をきっかけとして、エマは謎の少年・ユージンと共に、名探偵ムーリエに弟子入りすることとなる。ホテルすら空を舞う世界での不可能犯罪を、若き探偵たちは解き明かせるのか。 SF作品ならではのアイデアが満載の新感覚ミステリ。この本でしか許されない、とんでもないトリックの数々をお楽しみあれ。2013/01/31