Ｓｏｇｅｎ ｂｏｏｋｌａｎｄ 魔使いの悪夢

ディレイニー，ジョゼフ【著】〈Ｄｅｌａｎｅｙ，Ｊｏｓｅｐｈ〉/田中 亜希子【訳】

東京創元社（2012/03発売）

• サイズ B6判／ページ数 382p／高さ 20cm
• 商品コード 9784488019884
• NDC分類 K933
• Cコード C0097

出版社内容情報

敵軍にチペンデンの我が家を破壊され、拘束していた魔女も逃げてしまった。戦を逃れるために舟でモナ島に渡った魔使いとトム、アリスを最悪の悪夢が襲う！　シリーズ第７弾。

内容説明

ぼくはトム。七番目の息子の七番目の息子だ。ギリシアでのつらい戦いを終え、チペンデンの家での静かな暮らしにもどったのもつかのま、預かってもらっていた三頭の犬を引きとりにいっているあいだに、家は焼かれ、師匠の大切な蔵書も灰になってしまっていた。敵の兵士たちがついにチペンデンにやってきたのだ。それだけじゃない、拘束していた骨魔女のボニー・リジーが逃げてしまった。師匠とアリスとぼくは、敵兵の手を逃れようと、アイリッシュ海にうかぶ島、モナ島を目指した。だが、モナ島でぼくらを待っていたのは、最悪の悪夢だった。家も蔵書も失った魔使い。帰る場所を失ったトムたちを待ちうけるのは。

著者等紹介

ディレイニー，ジョゼフ［ディレイニー，ジョゼフ］［Ｄｅｌａｎｅｙ，Ｊｏｓｅｐｈ］
１９４５年イングランド北部ランカシャー生まれ。ランカシャー大学卒業。ブラックプール・シックスス・フォーム・カレッジでメディア及び映像関連について教えるかたわら、大人向けの小説を書いていたが、エージェントの勧めで初の児童書『魔使いの弟子』（創元ブックランド）を書いたところ成功。現在１５か国で翻訳される

田中亜希子［タナカアキコ］
千葉県生まれ。銀行勤務ののち翻訳業に。絵本の読み聞かせの活動もおこなっている（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[杏子]

今回の巻は苦しい展開でした。魔使いの仕事としては。師匠も蔵書を焼かれたショックか？だんだん力を失っていく感じだし、トムも魔王を恐れるままに、血の瓶をかわしたアリスと離れなくなっている。敵の戦線から逃れるため故郷を離れ、たどり着いたモナ島での魔女ボニー・リジーとの戦いは凄惨を極めた。児童書にも関わらず、容赦なく人が殺されていき、虚しい死を招いていく。今後は魔王との対決ということでさらに厳しい展開になるのは確実。次巻は外伝の１。その後が８巻、舞台はアイルランドへうつっていく。

2012/06/08

[tom]

ようやく連作物語の終盤に近づいた。図書館にあるのは、たぶん残り一冊。でもね、やっと終わりに近づいたというホッとした気分。残りが少なくなって悲しいという気分じゃないのです。ファンタジー好きの私ですけど、この本は、上質のファンタジーではないという判断をしているからです。上質のファンタジーは、物語世界の下部構造が破綻なく形作られていて、そのことが楽しみのベースにあるのだけど、この物語は、下部構造が破綻している。そうなると、上部構造に無理が生じるのは当然のこと。でも、残り一冊だから、がんばって読んでみます

2014/06/13

[み～くま]

『魔使いシリーズ』もついに７巻目！ラストまで残すところあと数冊となったはずなのに、未だに先が全く見えないまま。アリスは更に魔女らしくなってしまうし、一方の師匠は徐々に力を失っていく感じ。こんな状況で、どうやって魔王と戦うことができるのでしょう。さらに、人の世の戦火もトムたちに迫ってきています。最新刊を読み終えたばかりではありますが、早く続きが読みた～い！！！イギリスでは、既に８巻が出版され、この夏には９巻も出る予定。日本語訳が終わって国内で出版される日を心待ちにしたいと思います。

2012/04/28

[たお]

ジュベナイルなのに、重く苦しい方向へ進んでいく。だからこその魅力なんだろうなぁ。絆が深まる毎に、小さな嘘が重くなってゆく。次巻の出版が楽しみ

2012/04/22

[ふうか]

読み出したら止まらない。師匠の衰えが目に見えるようでつらい。サイモン夫婦には幸せになって欲しかったのに…。何にせよ早くグリマルキンと会わないと！！！女だからか、グリマルキンの子どもを殺されたことによる生い立ちに同情して、つい信頼してしまうなあ

2017/01/09