内容説明
デイヴィッドは休暇がいやでたまらなかった。両親が死んで、引きとられた先の大おじ一家が、なにかというと、面倒をみてもらえることに感謝すべきだと言うのだ。ある日ついに爆発したデイヴィッドは、大おじ一家に呪いをかけようとする。でたらめに唱えた文句が当たったか、地面が揺れ塀が崩れ…そして現れたのがルーク。その日から、デイヴィッドの生活は一変した。火事は起きるし、あやしげなやつらはうろうろするし。いったいルークって何者?少年の友情と冒険を描いた、現代英国児童文学の女王の初期傑作登場。
著者等紹介
ジョーンズ,ダイアナ・ウィン[ジョーンズ,ダイアナウィン][Jones,Diana Wynne]
1934年ロンドンに生まれ、オックスフォード大学で学ぶ。3人の子どもを育ててから本格的な執筆活動を開始、以来コンスタントに作品を発表し続けている。『魔女と暮らせば』(徳間書店)でガーディアン賞を受賞。現代のイギリスを代表するファンタジー作家として高い評価を受けている
大友香奈子[オオトモカナコ]
1965年北海道生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マツユキ
17
両親を亡くしたデイヴィッドが、休暇に帰るのは大叔父の一家だが、誰一人デイヴィッドを歓迎しなかった。思いつくまま、呪いの言葉を唱えていると…。最悪な家族の中で一人ぼっちだったデイヴィッドが、ルークと出会ったことから、味方を得て、前に進んでいく姿が清々しい。北欧神話はよく分かりませんですが、裏にでっかい世界があるというのは、ぞくぞくします。北欧神話読もう。2023/10/14
もちもちかめ
14
ほぼ最後に翻訳されたらしい初期作品とあって、あまり出来栄えは。北欧神話へのオマージュになっているようで、あまりにそれに依存していて、知識のないものは置いてけぼり。イギリスの小学生は、そんなによく知っているものなのか。恐るべしイギリス。作者の解説によると、火曜日に登場したミスターチュウは、中国人ではなかったし、筋肉ムキムキで恐そうなので、すぐに戦いの神チュールの化身と分かりますね、とか。分からないし!!2022/03/12
ちいさこ
6
初期作品なので、まだまだ荒削りな印象はあるけど、だからこそジョーンズをあまり読まない人にとっても読みやすいかも。アストリッドのキャラがとてもよかった。そしてロキを主人公の仲間にしてしまったのがなんともジョーンズらしい。ジョーンズ、ロキ好きそうだもんな。北欧神話を参照してから、もう一度読み直したい。そしたら色々と意味するところがもう少し分かりそうな気がする…あと、ジョーンズの作品って汚いものやグロテスクなものがかなり良く出てくる気がするけど、その辺りこだわりとかあったのかな?2024/06/21
ワッピー
6
北欧神話を下敷きにしたDWJの作品ということで、手に取りました。あの世界を現代イギリスに持ってくるとこうも違って見えるものかと感嘆。世界のはざまを抜けたときに垣間見える世界樹の大きさ、炎の中で眠る女性などは納得で、タトゥの青年もまあ許容できますが、3人の老婆(グライアイ)は運命の糸をつむぐノルンとは違うように思います。それにしても、デイビットがよく「あれ」を一人で持ち出せたなぁ。DWJの奇妙なキャラたちを堪能しました。2015/09/17
とり
4
魔法が使える世界のお話だと思い込んでいたら、そういうわけではなかったのね。忙しくてざっと読んでしまって、本に対して申し訳なかったなーと思います。北欧神話に詳しくないので、そのあたりのリンクがわからないのがもったいなかったです。2015/07/04