内容説明
遺跡の地下にある不思議な膜を通りぬけたJJがたどりついたのは、“永遠なる若さの国”。そこではなんと時間を売ってくれるというのだ。実は、本当ならこの国にあるはずのなかった「時間」が存在するようになり、みな困っているのだという。ぼくたちの世界からこっちの世界に時間が漏れている?JJはフィドル奏者の若者アンガスといっしょに時間漏れの原因をさがすことに…そこで彼らがたどりついた意外な真相は?2005年度ガーディアン賞、ウィットブレッド賞児童書部門、ビスト最優秀児童図書賞受賞作。
著者等紹介
トンプソン,ケイト[トンプソン,ケイト][Thompson,Kate]
1956年、イギリス、ヨークシャー地方ハリファックス生まれ。1981年アイルランドに移り住み、現在ゴールウェイ近郊のキンバラに在住。1994年にアイルランドで処女作Switcher’sを刊行。以降年一冊のペースで刊行を続ける。The Beguiler’s(2001)、The Alchemist’s Apprentice(2002)、Annan Water(2004)、『時間のない国で』(2005)で、ビスト最優秀児童図書賞を受賞。『時間のない国で』で、はじめてイギリスのビッグタイトル、ガーディアン賞、ウィットブレッド賞を受賞した
渡辺庸子[ワタナベヨウコ]
法政大学(通信課程)日本文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mayuri(Toli)
10
いやー、この本は面白かったです。何より全編を彩るアイリッシュメロディーと、ティル・ナ・ノグの描写がいいです。ティル・ナ・ノグがすごくほのぼのしてて、現代社会に対するメッセージのようにも思えました。下巻は、読み始めたら一気読みでした。 とにかく、いろいろと考えさせてくれる、素晴らしいファンタジーだと思います。現代だからこそ生まれた、まさしく現代ファンタジーの珠玉の一冊だと思います。 最近妖精物のファンタジーを多く読んでいますが、妖精を信じる心というものは失いたくないなあと、そんなことを考えさせられました。2012/09/03
二条ママ
6
長女小4。独り読み。すごい本だよと一言。2020/05/02
バジルの葉っぱ
4
あちら側から妖精の世界に、時間、音楽、靴下までが漏れてきていたとは!アイルランド音楽も伝説も楽しめました。フィドル弾きが主人公の物語なんてそうそうありませんし。作者はアイルランド伝統音楽の題名先にありきでそこからイメージを膨らませてストーリーを紡いだのですね(若干作者自身の作った曲があったのは話の展開上しかたなくなのでしょう)。各章の短いぶつ切れ感を指摘している人が多いようでしたが、それはきっとそのせいではないかと思いました。でもいいアイデアですよね、全体にアイリッシュの音楽が流れていて素敵だと思います。2014/06/04
航輝
2
図書館本 後編ということで様々な真相が出てくる アイルランドの伝統を知った上で読んでいたらより楽しかっただろうな 知らなくても充分楽しめたけど ラストの解説を先に読むだけでも違う2021/02/22
とりぞう
2
「アイルランド」とか「ウェールズ」に求めたくなることの多くが詰まっている本。音楽、いい味を出しているなあ。とても楽しい読書時間でした。2017/02/15
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- 和書
- 世界ウソ読本 文春文庫