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ミシシッピがくれたもの

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488019433
  • NDC分類 K933
  • Cコード C0097

内容説明

15歳のとき初めて父の故郷を訪れた。ミシシッピ川を見下ろす岩だらけの丘にある歴史と謎の重さが宿る家に祖父母と大おじ・大おばの4人が住んでいる。祖母がわたしに少女時代の思い出を語りかける。そしてわたしは、南北戦争にまつわる思いもかけぬ事実を知ることになった―。秘められた歴史を題材に、アメリカの深部に迫った感動の物語。

著者等紹介

ペック,リチャード[ペック,リチャード][Peck,Richard]
1934年、イリノイ州中部のディケーターで生まれ、同地で育つ。教職を経て筆をとり、これまで30冊以上もの作品を執筆。2001年には児童文学作家初となる“米国人文科学勲章”を授与された。『シカゴよりこわい町』(第49回産経児童出版文化賞(賞)受賞)でニューベリー賞オナーに選ばれ、『シカゴより好きな町』で2001年のニューベリー賞を受賞するなど数々の児童文学賞を受賞、『ミシシッピがくれたもの』でスコット・オデール賞をはじめとする多くの賞に輝いている

斎藤倫子[サイトウミチコ]
1954年、東京生まれ。国際基督教大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はる

61
良かったです。祖母が語ってくれるのは、南北戦争の時代の、少女だった頃の自分の記憶。「シカゴよりこわい町」のリチャード ペック 。さすがウィットに富んだ文章。ユーモアを交えつつ、繊細な筆致。アメリカの片田舎の風景が郷愁を誘います。物語が進むにつれて意外な事実も明らかになり、ラストは切なさが漂う。これは心に沁みる家族の物語であると同時に、アメリカが今なお抱えるセンシティブな問題を見事に描いた良質の児童書。2020/11/25

ぶんこ

53
素晴らしい本でした。南北戦争の時代の事を、祖母が孫に語っているのですが、「風と共に去りぬ」の画面からは伝わってこなかった多くのことが伝わってくる力作。戦争の始まる直前にニューオーリンズからやってきた2人の女性が、イリノイ州の小さな川べりの町にやってきたことから始まります。南北戦争も内戦なのだと考えながらも、人種差別と、その狭間に生きる人たちがいた事を知る。家族を偏見から守ることを第一としたデルフィーンの強い意志と生き様に感動しまし、最後の最後で涙が止まりませんでした。2020/11/30

Hiroh

29
素晴らしかった。1916年父に連れられはじめて祖父母たちに会う。それが外枠。大半は祖母ティリーの語り。南北戦争時奴隷州ではないイリノイ州の小さな町に住むティリーたち。ミシシッピ川を挟んで対岸は奴隷州。そんな町に下流ニューオリンズから着飾った娘とその連れがやってきて……同じ町からも南軍に参加するもの北軍に参加するものが出る。白人男性と関係を持つ自由黒人女性たち。彼女らは奴隷所有者でもあり、戦争に負けて奴隷が解放されるとむしろ、不安定な状況に陥る。それぞれの立場に微妙な上下感覚があり、それぞれの誇りもある。2021/04/10

マッピー

16
最初と最後が僕のパート。その間のほとんどの部分は、祖母(ティリー)の語る彼女の少女時代の話。南北戦争の頃。奴隷制に反対したイリノイ州と賛成したミズーリ州の間を流れるミシシッピ川。そこにミシシッピをさかのぼってニューオーリンズから避難してきた少女が来た。デルフィーンの抱える秘密。アメリカという国でフランス人が、スペイン人が、そしてアメリカ人が黒人にしてきたこと。奴隷制と自由黒人。自分の体に流れている「血」の重さを感じる。200ページ強なのに中身がとてつもなく濃い。ずっしりとした読み応え満点の児童文学。2019/02/06

Alm1111

9
南軍側でも北軍側側でもない一般庶民からの視点で南北戦争が語られる物語。戦争と人種問題。そしてそれが祖父母の口から地続きのリアルとして1916年という第一次世界大戦の年に孫に語られるという構成に感動した。『祖母は「時はミシシッピ川のようなものだ」といった。いつも同じ方向に流れるものだ、と』。北軍側から語られる奴隷解放の大義名分が、ニューオーリンズの自由黒人にとって破滅をもたらした事実も本書で初めて知った。なぜ主人公の父は郷里を離れたのか。実の母を看取るまで留まらなかったのかを思うと切ない。2023/12/10

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