バルザック全集 〈18〉

バルザック全集 〈18〉

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  • サイズ A5判/ページ数 369p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488019181
  • NDC分類 958

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

118
『農民』胸が苦しくなるほどの酷い展開。タイトルから思う牧歌的な感じはなく、荘園の管理人や農民がグルになって、それぞれ自分の利益の持ち分を減らさないために目を光らせている。当然所有者は正しい管理者を置こうとするも…。こういう人間の欲の闇~欲が集まると他人の命や人生など何とも思わない集団ができる~を描くのはバルザックのお得意芸だが読むのがつらい。管理できないほど将軍や貴族の力が弱まっていき、逞しい者達が取れるものを取ろうとしていった時代だったということか。『ゴプセック』既読。2018/05/06

NAO

57
『農民』復古王政下、急速に弱体化していった支配階級と、逆に力をつけてきた下層階級。地方の貴族領では領主対管理人+領地民の争いが勃発するが、その領主である伯爵が実は庶民階級出でありながら将軍となり、その後金で称号を買った貴族とあっては、妬ましさもあって領地民たちの逆襲も半端ではない。どんなにわずかでもいいから自分の資産となる土地を持ちたいというこの農民たちの思いの強さは、後のゾラの『大地』でも詳細に描かれている。『ゴプセック』は既読。 バルザック「人間喜劇」68/892018/07/29

まふ

6
全巻「農民」。ナポレオン後の社会経済構成の中で、貧農の荘園における薪採り、落穂ひろい等見逃されてきた不正収穫を厳しく取り立てようとする所有者である将軍上がりの侯爵と、侯爵を追い出そうとするブルジョア達との熾烈な争いを描いた物語。結局ブルジョア達がカネに物を言わせて買い上げ、細分化し、中小自作農に分配されていくことになる。王制、共和制、帝政、復古王政、君主民主制等へと目まぐるしい歴史の中の過渡期的な話だが、よくもまあ、自分の書いた登場人物を忘れずに辻褄を合わせるものだ。バルザックの作品らしさが顕著だ。2020/07/20

うずまき

2
「農民」「ゴプセック」収録。ゴプセック、デルヴィル先生は、嫌な物ばっかり見せられて…とっとと引退もするはずだわねー。ゴプセックとトラーユくんでタイマンはってるとこが好きだわ。これ読んでからゴリオ読んだ方が良いのに。そしてデルヴィル先生は一刻も早くエステルを発見してくれればいいのに…(隠されてるんだから無理だけど)(エステルはあれだけど、そこまでリュシアンを甘やかす必要はないか)2009/06/20

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