創元日本SF叢書
戦争獣戦争

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  • サイズ B6判/ページ数 408p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488018375
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

1994年、北朝鮮・寧辺の核燃料保有施設を訪れた、国際原子力機関の核特別査察官である蒔野亮子は、使用済み核燃料の沈むプールの中で謎めいた生物が泳ぐ様を目撃する――それは戦争によって文明という負のエントロピーを正のエントロピーに“精算”する際に誕生する四次元生命体〈戦争獣〉。生態系ならぬ死態系に潜む死命(シノチ)の最優勢種である彼等は、永遠の闘争を生きる種族「異人(ホカヒビト)」のみが扱える。奔放な想像力が生み出す本格SFの新たな傑作!

内容説明

北朝鮮・寧辺の使用済み核燃料保管施設の貯蔵プール。その中で謎めいた生物が泳ぐ様が確認された―それは戦争によって文明という負のエントロピーを正のエントロピーに“清算”する際に誕生する、四次元高時空域座標の存在“戦争獣”。生態系ならぬ死態系に潜む死命の最優勢種である彼等は、最終・究極戦争に至る闘争を至上目的とする“異人”のみが操ることが出来るという。デビュー時の言葉「想像できないことを想像する」を体現せしめた書き下ろしSF巨編!

著者等紹介

山田正紀[ヤマダマサキ]
1950年名古屋市生まれ。74年のデビュー中編「神狩り」で第6回星雲賞を受賞。82年『最後の敵』で第3回日本SF大賞を、2002年『ミステリ・オペラ』で第55回日本推理作家協会賞及び第2回本格ミステリ大賞を受賞。SF、ミステリ、冒険小説など多岐にわたる分野で活躍する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

186
説明文が多すぎて硬すぎる…。文章が好みのタイプなので最後まで読めたが、途中で力尽きる人は少なくないだろう。戦争が起こるところ、姿を現す戦争獣。戦争獣と関わるホカヒビト。彼らの確執と戦い。戦争と平和。生と死。それらが時に説明的に時に詩的に語られる。著者は戦争と平和を対極に捉えており、戦争は負のエントロピーを清算する過程としているようだ。absintheはそれは違うと考えている。戦争と平和は分かちがたく結びついた似た者同士の夫婦のような関係にある。戦争や平和と対極にあるのは混乱や無秩序だろう。2020/08/27

sin

61
不可知のものを人類の理解を越えた論理構造の存在を以て証明する『神狩り』の鮮やかな感触は忘れ難い。その作品に連なるものと帯に謳ってあるので手に取ったが、如何せん説明過多で自らの造語に酔いしれるかの如き論説は物語の興を削ぐ…朝鮮戦争と云ううねり!戦争の狂気に発想を添わすのではなく終始“異人・戦争獣”の解説を繰り返された感が拭えず、語るほど常人とみゆる異人、解説に加担する戦争獣と繰り返される度に居心地の悪さを感じた。饒舌過ぎる語り部は自らの真意を伝えきれないと云うことか?真意と云う作為が物語を阻害しているのか?2020/06/06

ひさか

18
2019年10月創元日本SF叢書刊。書き下ろし。大御所山田さんの大型SF。斬新なアイデアと世界観が、秀逸。が、楽しかったかというとしんどさばかりを感じて、苦痛でした。読みきりには体力が必要です。2020/11/17

りょうけん

16
<劣> もちろん本の題名に 釣られて/吊られて/連られて,読んだ。二段組み400ページの大作だった。(どれがこの場合の正しい ”つられて” なんだ? あ,読者諸兄にはどうでも良いか。すまなかった。笑う。) 2021/11/25

Ai

15
台湾原住民の神話をベースに跋扈する、戦争のエントロピーから生まれた戦争獣。山田さんにしか書けない、想像できないことを想像する物語でした。「戦争獣にとって、20~30年が、今」とかみんな分かったかー!? 何が起こっているかの描写に加え、その状態の説明の説明が入って、相変わらずちょっと読みづらかったけど、肌さわりは『神獣聖戦』に近い…? 次作も読みます。2020/08/06

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