ミステリ・フロンティア サーチライトと誘蛾灯

櫻田 智也【著】

東京創元社（2017/11発売）

• サイズ B6判／ページ数 223p／高さ 20cm
• 商品コード 9784488017996
• NDC分類 913.6
• Cコード C0093

出版社内容情報

ホームレスを強制退去した公園の治安のため、ボランティアで『見回り隊』が結成された。ある夜、見回りをしていた吉森は、公園に居座る奇妙な客たちを追い出す。ところが翌朝、そのうちのひとりが死体で発見された！　事件を追う吉森に、公園で出会った昆虫採集に勤しむとぼけた青年・？沢（えりさわ）が、真相を解き明かす。訪問客が減少した高原での密かな計画、街の片隅のバーでの交流が引金となる悲劇……。？沢が遭遇する事件の構図は、軽やかな推理で鮮やかに反転する！　第10回ミステリーズ！新人賞を受賞した表題作を含む全5編。軽快な筆致で贈るミステリ連作集。

内容説明

ホームレスを強制退去させた公園の治安を守るため、ボランティアで見回り隊が結成された。ある夜、見回りをしていた吉森は、公園にいた迷惑な客たちを追いだす。ところが翌朝、そのうちのひとりが死体で発見された！事件が気になる吉森に、公園で出会った昆虫好きのとぼけた青年・〓（えり）沢が、真相を解き明かす。観光地化に失敗した高原での密かな計画、街はずれのバーでの何気ないやりとりが引金となる悲劇…。事件の構図は、〓（えり）沢の名推理で鮮やかに反転する！第十回ミステリーズ！新人賞を受賞した表題作を含む全五編。軽快な筆致で贈るミステリ連作集。

著者等紹介

櫻田智也［サクラダトモヤ］
１９７７年北海道生まれ。埼玉大学大学院修士課程修了。２０１３年「サーチライトと誘蛾灯」で第１０回ミステリーズ！新人賞を受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[🐾Yoko Omoto🐾]

昆虫マニアの魞沢泉(えりさわ せん)が、ひょんなことから遭遇した殺人事件を何とも控えめに解決してしまう連作短編。泡坂妻夫先生リスペクトに納得の、思わず笑いが漏れる会話センスの良さ、飄々としたキャラに加え、新人離れしたこなれた文章が好印象。マイベストは、一つの標本と昔話から驚愕の真相を導き出す「火事と標本」、一見ありふれた痴情の事件にナナフシの特性を見事に絡めた「ナナフシの夜」。伏線の妙、事件の裏にある人間ドラマと意外な真相、魞沢のキャラ、各話のキーマンたち、それらが絶妙にブレンドされた良作。次作も期待大。

2020/10/11

[buchipanda3]

ちょっと風変わりな味わいのミステリ短編集。不思議とスルスルと読めて、いつの間にかハマっていた。その魅力は、昆虫好きで裏表のない自然体な人柄を見せる主人公の魞沢泉のキャラとその彼が関わることでどんな着地をするか分からない掴みどころの無さかなと思った。昆虫の世界を見ているからか彼の観察力が見事で、見落としがちな僅かな手掛かりから意外な角度の推理を披露する。物語もコミカルな一面を見せたと思えば人の業をさらりと曝け出すという妙味もあった。お気に入りは伏線がもたらすものが印象的な「火事と標本」と「ナナフシの夜」。

2020/11/04

[みかん🍊]

お初の作家さんですが読友さんのレビューからシリーズ1作目から読んでみた、昆虫おたくのとぼけた青年魞沢君が遭遇する5編の短編集とぼけているのか鋭いのか、犯人は君だ！的な展開ではなく何気にひっくり返し推理し事件を解決するところがユーモラスなミステリでした、しかし彼はいったい何者？面白かったので次シリーズ2に行きます。

2020/08/11

[bluemint]

表面的には泡坂妻夫のシリーズを彷彿とさせるが、内容は硬い。読み始めは、泡坂が頭にあったのでそれと比べもう一つヒネリが足りないなと思った。しかし、「ナナフシの夜」以降はマネではなく独自の面白さを持っていると感じるようになった。軽い外見ではあるが、中身は本格である。特にラストの短編はすべての記述に無駄がなく、ストーリーとしても読み応えがある。

2018/06/13

[ma-bo]

櫻田智也さんは初読み。第10回ミステリーズ! 新人賞を受賞した表題作を含む全5編。シリーズ最新作の六色の蛹を予約中にて、まずはデビュー作から先に。昆虫好きで天然な雰囲気の魞沢くんが行く先々で様々な事件に遭遇し、洞察力と推理力で解決？に結びつける。虫好きで30歳半ばぐらいしか明らかになってない主人公。そのあたりも含めて続編に期待かな

2025/05/02