出版社内容情報
〈王国〉周辺の海賊を束ねる謎の青年リスターが、海軍提督バロウズを誘拐した。密命を受けた若き大尉アランを待つ波瀾万丈の運命とは?気鋭が満を持して贈る海洋冒険ミステリ。
内容説明
“王国”周辺の海域を荒らし回る海賊連合“南十字星”の首魁アルバート・リスターが、海賊退治で勇名を馳せる海軍提督バロウズ卿を誘拐した。そこで海軍諜報部のマクミラン少佐は、剣の名手であるアラン・クリフォード大尉に“南十字星”の潜入を命じる。マクミランがアランの相棒として選んだのは、かつての名優で大酒飲みのダニエル・ソープ。底知れなさと適当さを併せ持つソープに振り回されながらも、アランは剣の腕と運を絡みに“南十字星”への接近を試みる。だが、彼を待ち受けていたのは、大海賊が遺した幻の財宝捜しと孤島で起きる連続殺人だった!スティーヴンスン『宝島』に胸を躍らせたすべての大人に贈る、愛すべき海洋冒険ミステリ。
著者等紹介
沢村浩輔[サワムラコウスケ]
1967年大阪府生まれ。阪南大学経済学部卒業。2006年、「『眠り姫』を売る男」で、第三回ミステリーズ!新人賞最終候補に選出される。翌07年、同賞に投じた「インディアン・サマー騒動記」(受賞作掲載時に「夜の床屋」に改題)で、無駄のない構成と語り口の妙を高く評価され、第四回ミステリーズ!新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nabe
69
七つの海を制覇し莫大な財宝を隠した大海賊とそれを打ち破った提督。そして時は流れて20年。群雄割拠する海賊の頭領達とまとめ役のリーダー。こう書くと海賊王になりたい少年が浮かぶが、大海原で暴れ回る描写は序盤で終わり孤島での殺人事件が起こるミステリになるハズが…そもそも海賊だけに獲物は各自が腰にぶら下げているわけだし、全員が酒をかっくらって泥酔状態のところに生首が転がったとして、どう推理したところで虚しいだけ。故に本作は冒険ものとして探偵役の決闘や、犯人の罠にはまって危機一髪の場面なんかを楽しむのが良かろう。2015/05/27
kasim
36
『宝島』へのオマージュと聞けば読まずにはいられない。前半は児童文学的で痛快な冒険物で、格好良い海賊(もちろん女海賊も登場)や凛々しい軍人が次々に登場するが、一転 後半は本格ミステリでどんどん人が死ぬ。このジャンル独特の思い切りの良さと言うか冷淡さと言うか、もったいなさ過ぎて「え、この人死んだの? 嘘でしょこれがトリックでしょ」の連続。面白い、けどあっさりとした味わい。でも続編も読みたいなという気持ちにさせてくれる。2021/08/21
もち
20
「海賊は死者を生み出すことは得意だが、弔うことには慣れていない」◆渦巻く陰謀に導かれ、孤島に辿り着いた6人の海賊船船長たち。1人が他殺体となって発見されると、荒くれ者しかいない空間に相応しくも不可解な連続殺人が幕を開けた。■海洋冒険ミステリ、という凄まじいジャンル。海賊に財宝に殺人事件とくれば、わくわくするなという方が無粋というもの。個性溢れる船長たちの活躍に胸躍らせるのもよし、動機の見えない難問の推理に興じてみるのもよし。2015/06/04
むつぞー
19
海軍将校が海賊として海へ出るという設定と、海賊の隠された財宝という定番も、やや淡々とした描き方ではありますが、面白く思っていたのですが…。 この財宝の謎があっさりと解けてしまい、想定していなかった孤島での海賊の首領たちの連続殺人事件へ。 考えてみれば冒頭に島の地図と砦の見取り図があったのに、思っていなかった私が甘いのかもしれません。 魅力が見えてきてきた人物たちが殺されて行くのもあって、なかなかこの殺人事件に頭が切り替えられなかったです。 ただ見えてきた答えは驚きもあって、面白かったとは言えるのですが…。2015/03/01
Yuki
16
海賊と海軍の闘いかと思いきや、謎の死を遂げる海賊たち…。真相が明らかになったかと思えば、もう一捻りあって、最後まで楽しめました。それぞれの海賊達のその後が気になるので、続編が出たらいいなと思います。2017/02/05
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