内容説明
気弱な大学生・稲村サトシは、吉沢カレンとの結婚を報告しようと、自宅で母を待っていた。とはいえ勝気で我侭な母が、偏屈なカレンを快く思うはずがない。どう切り出すか悩むうちになぜか眠ってしまった彼は、隠れていたはずのもう一つの人格「サトシ・プラス」がその間に目覚めて、何事か目論んでいることに気づく。少年時代のサトシをプラスとマイナスに分けた、二十五項目にわたる人格分割リストを回収するため、古書店の駐車場で暮らす友人・オカベのもとを訪れるサトシだが…。欠落した記憶、絵描きだった父の死、全ての鍵を握る「ある人物」―自らの過去を辿りなおす、多重人格者サトシのおかしな探偵行のゆくえは?江戸川乱歩賞受賞の気鋭が贈る、明るく爽やかな“多重人格”成長小説登場。
著者等紹介
早瀬乱[ハヤセラン]
1963年大阪府生まれ。法政大学文学部卒業。2003年、『レテの支流』が第11回日本ホラー小説大賞長編賞の佳作となり、デビュー。06年、『三年坂 火の夢』で第52回江戸川乱歩賞を受賞。明治時代の都市風景と登場人物を魅力的に活写した探偵小説の登場に、一躍注目が集まる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takaC
36
意味不明の太字が邪魔。('13/)09/22読み始め、('14/)11/21読み終わり。2014/11/21
Yuki
8
あらすじを読んで、もっとミステリー色が強いお話だと思っていたのですが、そうではなくて、分かれてしまった自分と向き合うという感じのお話だったのですね。正直、盛り上がりに欠ける気がしました。淡々と進んでいくといった感じで…。最終的なオチも、微妙かなあと思いました。ミステリーを期待してしまっていたから、こう思うのかもしれませんが、私にはあまり合わなかったかな。2014/11/13
ホレイシア
8
早瀬氏の現代物は初めてでどうかと思ったが、時代物より文章はこちらの方が安定している感じ。内容だが、親世代の身勝手さがよく描けている点と、カウンセラーという常々胡散臭いと思っていた職業が問題を余計にややこしくするということがしっかり描かれている点、大いに評価したい。人間、悩むときは大いに悩めばよろしい。他人の手を借りなくても自分でなんとかする力がちゃんと備わっているものだ。2009/07/09
朱音
7
確かに「明るい多重人格モノ」、凶暴性があるわけではなくせつない感じが新しくてよい。なんだかさらっと読み進めてしまってあららと思う間に終わってしまった感があるが言いかえればサクサク読みやすかったということかも。太文字部分の意味はわからなかったけど。2011/04/15
葉月94
5
レーベル読み。強調したいことを太字であらわしているのだろうと思うが、今一つ、意味不明。たいくつだった。そのうち面白くなるかと読み進めたが、最後まで、私には合わない世界だった。2012/09/05