東京創元社・ミステリ・フロンティア
夏の魔法

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  • サイズ B6判/ページ数 313p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488017330
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

さよなら、残酷な世界。わたしの人生は、もうすぐ終焉を迎える―二十二歳の老婆は、少女の頃の輝かしい思い出に満ちた南の島で、人生最後の夏を静かに過ごすはずだった。しかし彼女はそこで、逞しく聡明な青年に成長したかつての初恋の相手と再会する。劇的な容姿の変化のため、中学時代に恋した相手が目の前にいることに気づかない彼の隣には、美貌の女性が明るい笑顔を浮かべて立っていた―「魔法」は、彼女たちに何をもたらしたのか?緑濃い真夏の島でゆっくりと進行する、哀しい願いの物語。

著者等紹介

北國浩二[キタクニコウジ]
1964年大阪市生まれ。フリーライターとしての活動を経て2003年、『ルドルフ・カイヨワの憂鬱』で第5回日本SF新人賞に佳作入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おりん

29
面白かった。良作。文章が読みやすく、イメージが頭の中に浮かびやすい。早老症の少女が死ぬ前に常夏の島で初恋の人と出会うっていう、簡単な粗筋だけでも切なくなりそうな話。全体的にロマンチックな作風で現実を忘れて楽しめるが、それが鼻に付く部分も無くはない。心理描写が結構良くて、感情移入してしまい胸が痛むことが何度かあった。ラストもどう落とすのかと思いつつ読んでいたが、この落とし方は結構好き。残酷でありながらも幻想的で美しいラストです。2018/09/08

紅はこべ

15
難病ものの切ない系ラブストーリーかと思いきや、ラスト近くに怒濤の展開。愛ゆえの善意が悲劇を生んだ物語。2008/04/26

daubentonia

14
“きっと、今年の夏が生涯最後の夏になる。”なんて切なくて、救いのない物語なんだろう…。病気になってしまった自分がいけないの?それとも、大好きだった人と再会してしまったのがいけないの?夏希の苦悩を思うと非常に辛いですし、抑え切れない嫉妬と生への未練が駆り立てた犯罪は悲し過ぎました。もう少しお互いの気持ちが解り合えていたら、別の結末になったのかもしれませんね…。“刹那ゆえの永遠。”を目指した夏希でしたが、やはりそこにたどり着くのは難しい事なのでしょうね…。やり切れない気持ちが強く残る作品でした。2013/05/16

こっぺ

12
なんとラスト4分の1くらいで一気にミステリ風の流れに!!殺人計画が!!ちょっと無理ある気がする。いや、やっぱり無理じゃない??しかもミステリ風なだけでミステリ、ではないよな・・・。そこまではけっこう一気に読めました。切ないような、眩しいような、夏のお話。いくら病気だからって、まだ22歳だもの。そんなに悟りきれないと思うな。その反動が一気に殺人を呼び寄せるのか・・・。【図】2013/04/12

言音 / 放置気味…。

6
病気の所為で老婆のようになってしまった少女は初恋の相手と再会する。 同情されたくないし、幻滅されたくない。なにより、輝いていた頃の自分を覚えていてほしい。そんな気持ちが切なくて、苦しかった。 イルカについては知らなかったので驚いた。2013/07/29

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