内容説明
幼馴染の菜加には拾い癖があった。犬や猫、果てはアルマジロなど処理に困るものばかり拾ってくるのだ。いつも後始末は恭平の役目。恭平はいつも、「猪突猛進」という言葉を地でゆくかのような菜加の言動に振り回されてばかりいる。そんな菜加がまたしても拾ってきたのは―人間の子供。渋谷の雑踏で置き去りにされたのを見て連れてきたのだというが、この行為がのちに恭平の友人・忍や菜加の弟・克己を巻き込んだ上、あんな結末を迎えるなどとは、このときの恭平には予想すらできなかった!『せん‐さく』『転落』の著者が新たに放つ、青春ミステリの快作。
著者等紹介
永嶋恵美[ナガシマエミ]
1964年福岡県生まれ。2000年、ネットを介して知り合った主婦と少年の逃避行に意外な企みを絡めた長編ミステリ『せん‐さく』でデビューする。第3長編『転落』が「ミステリチャンネル」2004年度国内ミステリベスト10にランクインするなど、次第に注目を集めつつある俊英(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えりこんぐ
71
イヤミスのイメージの永嶋さん。拾い癖のある女子高生・菜加のキャラとか、幼なじみの恭平との掛け合いからして、今回はちょっとほのぼの系かな? と思って読み進めるも、どんどん暗くてハードになっていく。。これ子供にはあまり読ませたくないやつね..でも面白い。後半の恭平の行動力に拍手! 緊迫感が伝わってきてドキドキした。2019/01/23
紅はこべ
51
主人公の恭平は進学校の特待生だから、頭はいい筈だが、人の話の行間を読む能力に乏しく、人の話を聞いているようで聞いていず、早とちりが過ぎ、思い込みが激しく、机上の空論のみで行動する、要するに頭でっかち。受験偏差値は高くても、名探偵偏差値は低いな。そんな現代っ子が手に余る事件を解決しようとじたばたする話。事件の悲惨さ、犯人の邪悪さに関わらず、読後感は悪くない。2010/03/05
ちはや@灯れ松明の火
50
「落し物は交番へ届けましょう」渋谷駅に置き去りにされた子供を連れ帰った土曜日。「未成年者略取は犯罪です」ならば持ち主へと直接届けます、「お乗り間違いのないようにご注意ください」この子のお家は水戸ですか。「家宅捜索には令状が必要です」ニセ警官が自宅周辺うろつき回り、「学校内に不審者が侵入した模様です」中学敷地内ももはや安全領域じゃない。「教室内の携帯持ち込みは禁止です」校則が怖くて情報収集ができるか、「自分の身は自分で守りましょう」職質が怖くて直接対決ができるか。先生、これがぼくの怒濤の一週間の仕事です。 2015/04/15
そのぼん
43
拾い癖のある少女が拾ってきたものはなんと人間の男の子だった・。なんともまぁ突飛な設定の話ですが、先が気になってどんどん読み進めました。オチはとても嫌な感じのものでした。2013/04/06
七色一味
41
読破。あ~、むかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつく~~~菜加ぁ! これ、という「売り」部分はないものの、動機などなどに短絡的な世相を反映した物があって、薄ら寒さを感じた。表紙の爽やかな感じとは程遠い作品です。それにしても──むかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつく~~~~2013/03/23
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