出版社内容情報
翻訳家・柴田元幸氏推薦
「理系の緻密な思考力と、文系のしなやかな想像力の奇跡のような共存。」
時に切なく、時におかしく、そして
時にはちょっぴり怖い幽霊たちの物語を100編収めた
いつか幽霊になるあなたのためのふしぎな短編集
失恋した瞬間を永遠に繰り返す幽霊、雨となって降り注ぐ幽霊、方向音痴の幽霊、瞬間転送装置が生み出す幽霊……イタロ・カルヴィーノ短編賞受賞作家が贈る、時に切なく、時におかしく、そして時にはちょっと怖い幽霊たちの物語を100編収めた不思議な短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘラジカ
47
幽霊という表象を拡張、再解釈した高度で新しい掌篇集。一口に”ゴースト・ストーリー”と言っても非常に多彩。物語のアプローチも千姿万態であり、古典的なものから哲学的なもの、不気味さや人間臭さを感じさせる作品までバリエーションに富んでいる。ほぼ全てが2頁に満たないにも拘わらず「食べ応え」が尋常ではないのだ。稀に良い小説だったという以上に誰かにお勧めしたい、紹介したいと思う作品に出会うことがあるが、この作品はまさにそれ。テーマは違うがジム・クレイス『食料棚』やギョルゲ・ササルマン『方形の円』が好きな人は必読。2024/04/19