出版社内容情報
統合失調症の青年が治療の一環として過去や現在を綴る手記の形を取った作品。子供時代に、大好きだった三つ年上のダウン症の兄サイモンが、事故で死亡。彼のせいで起きたといえる事故だったため、罪の意識から逃れられずに引きこもるうちに発病。彼にはいつも兄の声が聞こえ、兄の姿が見える。家族愛について、哀しみについて、微苦笑を誘う表現が読者の胸を打つ。コスタ賞新人賞・コスタ賞大賞受賞で話題を呼んだ、美しく感動的な傑作。
内容説明
ぼくには仲良しの兄・サイモンがいた。でも死んでしまった。ぼくはサイモンに会いたくてたまらない。19歳になったマシュー・ホームズは、統合失調症の治療の一環として、自分自身について書いている。大好きだった兄サイモン、ダウン症だった彼の死は、幼かったマシューの思いつきがもたらしたようなものだった。罪の意識に苛まれるマシュー。彼には「ぼくを忘れないで」というサイモンの声がいつも聞こえている。精神科病棟の看護師だった著者だからこそ書ける、病める青年の苦しみ、不安、喜び、そして家族のこと。サイモンとマシューの兄弟を、あなたは忘れることができないだろう。コスタ賞の新人賞と大賞を同時受賞した傑作小説!
著者等紹介
ファイラー,ネイサン[ファイラー,ネイサン] [Filer,Nathan]
1980年、英国ブリストル生まれ。ブリストルの西イングランド大学で精神科看護師の資格を取得。その後、ブリストル大学でメンタルヘルスの研究に従事。バース・スパ大学のクリエイティブライティングの修士号を取得。同大学でシニアレクチャラーとして教鞭を執っている。パフォーマンス詩人としても活動し、英国内の朗読イベントやフェスティバルに出演している。現在は家族とブリストル在住。2013年に『ぼくを忘れないで』でコスタ賞の新人賞と大賞を同時受賞した
古草秀子[フルクサヒデコ]
青山学院大学文学部卒業。ロンドン大学アジア・アフリカ研究院(SOAS)を経て、同大学経済学院(LSE)大学院にて国際政治学を学ぶ。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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