海外文学セレクション<br> ギデオン・マック牧師の数奇な生涯

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海外文学セレクション
ギデオン・マック牧師の数奇な生涯

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  • サイズ B6判/ページ数 432p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488016630
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

突然、悪魔に命を助けられたなど冒涜的な告白をし、失踪してしまった牧師。彼の手記に書かれた波瀾に満ちた生涯とは。スコットランド随一の作家によるブッカー賞候補作!

内容説明

スコットランドの出版社に、半年前に失踪したギデオン・マック牧師の手記が持ち込まれた。彼は実直な人間として知られていたが、失踪する直前に、神を信じないまま牧師になったことや悪魔と親しく語らったことを告白し、教区の信徒たちから非難されていた。手記には彼の生い立ちから、自分以外には見えない立石を発見したことや悪魔との出会い、そしてなぜそれを大衆の前で語ったのかがすべて記されていた。―出版者による序文、マック牧師の手記、そしてまた出版者が執筆したエピローグという独特の構成で描かれる、一人の牧師の数奇な生涯。スコットランドを代表する作家が、歴史、風俗、伝説、父子の物語などさまざまな要素を織り込んで綴ったブッカー賞候補作。

著者等紹介

ロバートソン,ジェームズ[ロバートソン,ジェームズ] [Robertson,James]
1958年、イングランド生まれ。6歳の頃に祖父の出身地であるスコットランドへ移る。書籍販売をふくむさまざまな仕事に携わったのち、1990年代に作家となった。数々の短編集や詩集、児童書を上梓しているほか、編集者、翻訳家としての顔も持つ。長編3作目にあたる『ギデオン・マック牧師の数奇な生涯』は、2006年のブッカー賞の候補となった。4作目のAnd the Land Lay Stillはサルタイアー・ソサエティが主催する文学賞で、スコットランド文学のベスト1に選ばれている

田内志文[タウチシモン]
翻訳家、物書き。小説の執筆や朗読も行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

106
最後まで読んでから最初のページに戻ると、その流れの不気味さが急に形をとって現れた気がした。形容したがたい不気味さ。信仰には神の存在がある。神がいるなら悪魔は存在することになる。悪魔と会話したと言うならば、むしろそれは神の存在を際立たせはしないだろうか。彼を疑うものは、キリスト教そのものに疑いを持つ者たちではないか。問いは常に二元的になり、表裏一体だ。キリスト教にとって大切な岩がキーワードとなっていることも考えさせられる。疑問を残すが、読み込むのは躊躇われる不気味さがある。2020/11/01

ヘラジカ

41
同じスコットランドの作家ジェイムズ・ホッグの『悪の誘惑』を想起させるが(もちろん影響を受けているだろう)、終始暗澹としたものを抱えながら読んだあちらとは桁違いに物語に魅力がある。近年では珍しい古典的スタイルの宗教・怪奇小説の傑作。邦訳が刊行された近年のブッカー賞候補作をいくつか読んで、「これは」という読み応えのある作品には出会えていなかったのでこの作品には特別驚かされた(どれもそれなりに良い小説ではあったのが)。さらにこの小説が2006年の最終候補にすら残っていなかったと知って二重の驚きである。2018/01/15

星落秋風五丈原

35
本人はどこまでまともなんだろうか?と思いながら読みました。悪魔にバックでXXされるシーンはうわー!と。2018/03/16

そふぃあ

28
ギデオン・マックの性格も考え方も処世術もほとんど自分と同じでつらくなってきた。分身みたいな人が破滅(?)に向かうを見るのは心にくる。あなたのような人は破滅以外ないですよと言われたようでもある。他にも細かい部分で心を抉られる描写があり、ハードな読書体験だった。保守的な土地で牧師が神を信じていないと明言するのは、かなりの恐慌をきたすことだろう。だがそれが悪だとは思えなかった。浮かび上がるのは<神は嘘で人々を安心させる>一方、<悪魔は真実で人々を惑わす>の対比構造。死後に悪魔と面白おかしく暮らすのも悪くない。2020/11/14

スターライト

18
「陰鬱のうちに育てられ、結婚に満足できず、報われぬ愛を抱き、宗教に迷い、瀕死の事故による精神的圧迫と大怪我により精神に破滅的な痛手を負った男による、むやみに長い独白」(本書391ページ)であるギデオン・マック牧師の遺書。途中まではあまり「数奇」な感じはしなかったが、知人の愛犬を救おうとして断崖から川へと落下し九死に一生を得てから、がぜん怪しい雰囲気を帯びる。行方不明の3日間の出来事を告白したことで急落した彼の評判。スリリングな展開から、最後の関係者へのインタビューでさらにどんでん返しが待っているとは!必読2018/02/21

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