海外文学セレクション<br> 世界が終わるわけではなく

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海外文学セレクション
世界が終わるわけではなく

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  • サイズ B6判/ページ数 286p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784488016548
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

ウイットブレッド賞作家が紡ぐ、読者を時空の歪みに誘い込むような奇妙な味の短編集。これは、小説です。

内容説明

可愛がっていた飼い猫が大きくなっていき、気がつくと、ソファの隣で背もたれに寄りかかって足を組んでテレビを見ている!そして…という「猫の愛人」、真面目な青年と、悪さをしながら面白おかしく暮らす彼のドッペルゲンガーの物語「ドッペルゲンガー」、事故で死んだ女性が、死後もこの世にとどまって残された家族たちを見守ることになる「時空の亀裂」等々、十二篇のゆるやかに連関した物語。千夜一夜物語のような、それでいて現実世界の不確実性を垣間見せてくれる、ウィットブレッド賞受賞作家によるきわめて現代的で味わい深い短篇集。

著者等紹介

アトキンソン,ケイト[アトキンソン,ケイト][Atkinson,Kate]
1951年、イギリス・ヨーク生まれ。ダンディー大学で英米文学を専攻。修士号取得後、様々な職業を経て、ダンディー大学の英語教師に。1986年、雑誌『ウーマンズ・オウン』の短篇コンクールで優勝。1993年、イアン・セイント=ジェイムス賞を受賞。1995年、初長篇である『博物館の裏庭で』でサルマン・ラシュディらを抑えてウィットブレッド文学賞を受賞。二度の結婚と離婚を経て、現在は二人の娘とともにエディンバラに暮らす

青木純子[アオキジュンコ]
1954年東京に生まれる。早稲田大学大学院博士課程満期退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

96
ルイス・キャロルのDNAを受け継いだようなイギリスの女性作家の12の短篇を収録。物語は緩やかにリンクしてて、ある話で主役だった人物が別の話で脇役として登場し、不条理劇を連続で観ている気分になりました。最初の短篇を読んだ時は、頭に?マークがつきました。街が戦争状態になってるのに、二人の女性がのんびりとショッピングの相談をしているとか……。これは何かの暗喩なのだろうかと思ったりしたけど、訳者によると「ナンセンスコメディ」と考えていいらしい。シュールな設定を淡々と描くスタイルは、はまれば癖になるかも知れません。2014/07/30

星落秋風五丈原

57
どこか頭のねじが外れている人達のスラップスティックコメディ。いろんな所に顔を出すパメラ。「シャーリーンとトゥルーディのお買い物」はとんでもない状況下なのにフツーの会話が延々と続くところが逆におかしい。2016/03/31

天の川

52
若い女性2人の泡が弾けるような会話から12の短編が幕を開ける。読んでいくうち、2人の会話の明るさとは裏腹に、その世界がいびつであることに気づく。何人かの人物が短編をまたがって登場し、歪んだ世界が緩やかに関連づけられる。奇妙なテイストの物語の数々…。最後の短編で最初の彼女達の状況が理解でき、間に置かれた10編のことを再び考えさせられるのだ。本のタイトルである「世界が終わるわけではなく」は本の最後を飾るトゥルーディの言葉。これは夢なのか現なのか…2020/11/20

mii22.

45
不思議ワールドな表紙の絵に惹かれ、思わず中を覗いてみたくなりました。これは!一篇目から心掴まれキュンとしました。かなりイケてる私の好きな世界。二人の女子のごく日常的なふわふわとしたおしゃべりの背景に、なにやら不穏な影が..頽廃的、破壊的な匂いが..。12篇のお話がゆるゆると繋がっている構成も素敵。シュールで摩訶不思議で、空想の世界で遊べるそんな作品。ある日突然巨大化した飼い猫が、ソファーの隣で人間のようにアイスを食べながらくつろいでいたら..最高にクールな短篇集。2015/07/15

兎乃

42
ロコス亭・忘れられた花園を翻訳した青木純子さん&読友みなさまの感想に誘われて、完全装丁買い。内容もビンゴでした。12の短編。小粋な言葉遊びからグググッとアトキンソンの世界に引き込まれ、その手捌きは軽やかで鮮やか。ひとつひとつの扉に引いている言葉といい、頁をめくるのが楽しい。第一話からお行儀よく読むと、穴に落ちたアリスの如く迷い込み、最後にピノッキオみたいに鯨からプハッと吐き出されて、気がついたら自分の部屋でしたという読書タイム。オウィディウス、パウロ、ホメーロス風アルテミス賛歌...あっ、オウィディウス。2013/02/28

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