内容説明
1983年、パリの骨董品オークションで手に入れた、がらくたの詰まった函。それは産業革命以前のフランスで、自動人形の開発に心血をそそいだ天才発明家の「形見函」だった。10の仕切りのなかには、それぞれ、広口壜、鸚鵡貝、編笠茸、木偶人形、金言、胸赤鶸、時計、鈴、釦、そして最後のひとつは空のまま。フランス革命前夜、のちに発明家となる少年クロード・パージュの指が、ジュネーヴの外科医によって“故意”に切り落とされる事件が起こる。ここに端を発する彼の波瀾万丈の生涯について、形見函におさめられた10の想い出の品は、黙したまま雄弁と語りはじめるのだ―。18世紀という好奇心にみちた時代を鮮やかに再現し、世界の批評家たちを唸らせた驚異のデビュー作。
著者等紹介
カーズワイル,アレン[カーズワイル,アレン][Kurzweil,Allen]
アメリカの作家。1992年に本書『驚異の発明家の形見函(A Case of Curiosities)』でデビュー、ドイツ、フランス、ロシアなど12か国で出版され、国内外の批評家から絶賛される。1996年、グランタ誌の「アメリカでもっとも有望な若手作家」に選ばれたのもこの作品による。メジャーな賞には縁がなかったものの、エア・リンガス(アイルランドの航空会社)/アイリッシュタイムズ文学賞、メディシス賞(フランス)の候補となった。グッゲンハイム、フルブライト両奨学金を得た経験があり、1999年にはニューヨーク公立図書館の研究員として1年を過ごした。ロードアイランド州プロヴィデンス在住
大島豊[オオシマユタカ]
1955年生まれ。上智大学外国語学部卒
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
paluko
氷沼
α0350α
ひなた
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- 新しい追悼施設は必要か