内容説明
白人の頭皮を剥ぎ、フクロウの羽根を残す殺人鬼インディアン・キラーとは何者か。現代アメリカの都市から生まれた、知られざる悲劇。デビュー作で全米の注目を集めた若きネイティヴ・アメリカン作家が満を持して放つ、ミステリ仕立ての問題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
15
白人の養父母に育てられたインディアンの青年。その魂の彷徨と時を同じくして都市に現れる、白人の頭皮を剥ぎフクロウの羽根を残す連続殺人犯。アメリカに住むインディアンたちの厳しい現状とアイデンティティをテーマにしながら、同時にかれらに惹かれ憧れる白人たち、かれらを蔑みかれらにおびえる白人たちの描写も厳しい。ミステリとしてはどうなのか、ちょっと良く分からないところはあったけれど、440頁を一気に読ませる読み応えでした。面白かったです。2015/10/18
Rieko Ito
2
伝統を重んじるエコロジストとか、社会の底辺で迫害されている人というステレオタイプではない、現代(90年代のシアトル)のインディアンの姿が多層的に描かれている。白人の養子となり自己を失ったインディアンや、インディアンになりたい白人など、様々な登場人物を巻き込んで連続殺人が起きる。犯人捜しのエンタメ性がありながら、結局何が現実で何が幻覚だったのかという思いが残るが、それが深い味わいになっている。差別を扱った社会派かと思って読み始めたが、アイデンティティとは何かを問いかける作品だった。2022/05/22
うにこ。
2
ダブルミーニング。 現代に生きてるインディアンの作者の書いた、大いなる皮肉の小説…でしょうか。 現代のアメリカの社会が抱えるインディアン問題を書いた、サスペンスもの。 インディアンの主人公が、凶悪殺人を犯しますとだけ言っておきます。 ラスト…うーん、ウォヴォカは復活しつつある、のかなぁ。 面白いよ。2005/04/02
yooou
0
☆☆☆☆★2005/04/09