内容説明
ぼくが公園でホームレスとして暮らしているわけは、四年前のある日、レイプされる恋人エルザを守ることができなかったからだ。やつらが現われて、ぼくの目の前で彼女に襲いかかったのに、ぼくにはどうすることもできなかったから。今、ぼくは公園で男友達と抱き合うこともある。サンドリーヌの身体だって知っている。あのころ、エルザにはふれたこともなかったのに。幾度もの冬を過ぎて、再び公園にやって来るようになったエルザの姿を見てぼくは身を隠す。「公園はけがれているからもう来ないでほしい」と思う。心に深い傷を負った少年に回復のときは来るのか?ラングドック・アカデミー小説賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
36
ぼくが公園でホームレスとして暮らしているわけは四年前のある日レイプされる恋人エルザを守ることができなかったからだ。ぼくの目の前で彼女に襲いかかったのに、ぼくにはどうすることもできなかったから。今、ぼくは公園で男友達と抱き合うこともある。あのころ、エルザにはふれたこともなかったのに。幾度もの冬を過ぎて、再び公園にやって来るようになったエルザの姿を見てぼくは身を隠す。「公園はけがれているからもう来ないでほしい」と思う。心に深い傷を負った少年に回復のときは来るのか?ラングドック・アカデミー小説賞受賞作。 1998/11/15
こぽぞう☆
14
図書館本。定期的に訪れるフランス文学の棚より。恋人に対する壮絶なレイプを目の前で見てしまった少年(青年?)は、事件が起こったまさにその公園に「引きこもって」しまったようだ。2018/08/18
つゆり
0
恋人を守れなかった青年がホームレスになって公園で生活しているという設定に興味を惹かれて読みだした本。 描写が丁寧で、よく古代エジプトにちなんだ神々や地名が出てくるのだけれど、ちょうどエジプト歴史ものを読んだあとだったために余計に読み易かった。2016/07/10
...
0
究極的に受け身になる方が楽だった。2015/04/25