内容説明
ぼくが公園でホームレスとして暮らしているわけは、四年前のある日、レイプされる恋人エルザを守ることができなかったからだ。やつらが現われて、ぼくの目の前で彼女に襲いかかったのに、ぼくにはどうすることもできなかったから。今、ぼくは公園で男友達と抱き合うこともある。サンドリーヌの身体だって知っている。あのころ、エルザにはふれたこともなかったのに。幾度もの冬を過ぎて、再び公園にやって来るようになったエルザの姿を見てぼくは身を隠す。「公園はけがれているからもう来ないでほしい」と思う。心に深い傷を負った少年に回復のときは来るのか?ラングドック・アカデミー小説賞受賞作。