内容説明
自然科学の教師ジャンヌ、35歳、身長170センチ弱、体重85キロ。読書家で博識で美食家の彼女は、自分の体形など気にもとめていなかった。親しい男友達との関係にも、教師の日常にも何の問題もなかったからだ。が、ある日、彼女の住む高層マンションのエレヴェーターが不良グループによってこわされてしまった。彼女の住んでいるのは32階だ。階段なら、713段。驚いたことに、隣人友人の誰もが皆、彼女の体を気づかう。「わたしは病人ではないのに!」敢然と713段に挑んだジャンヌだったが、その結果たるや惨澹たるものだった。愕然とした彼女は、ついにダイエットを決意する。80…79.3…75.5…73…72…69.2…。体重計の針の動きとともに今まで見えていなかった真の自分の姿、隠されていた様々な真実が、次第に浮かび上がってくる。そして、変化していく人間関係。はたしてダイエットは幸福への扉の鍵となるのか…?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きゅー
2
たしかに太りすぎた女性がダイエットをする話だけど、実はキリスト教的価値観に対する懐疑がメインモチーフになっており非常に内容の濃い作品だった。フランスにおけるキリスト教とイスラム教との葛藤も盛り込まれているなど、前半のホームドラマ的展開や登場人物のアクの強さ(おせっかいの親友、仲の良くない母、意地の悪い同僚等々)からは予想しがたい内容。誰もが驚く意外な結末だけど、それも宗教的な意味合いで解釈すればいいように感じる。タイトルのせいで敬遠してしまったガイブン読みには是非お勧めしたいし、感想を聞きたい。2012/01/08
のちおちゃん
0
☆☆2009/08/26
darekun
0
これは隠れた傑作だが、翻訳がもっと現代的であってほしいな。2007/01/11