内容説明
傑作「黒い玉」で知られるベルギー幻想派の作家による、ひと味ちがう不気味な物語16編。なんともいえない後味を残す「黒い雌鶏」、そして「雌豚」等々…。気味の悪い話、奇妙な話、怖い話がお好きな方々にそっとお届けする傑作短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
23
結構死んだ女性とセックスする話が多いベルギー印の幻想譚。エンドレスで悪魔に追いかけられる「晩にはどこへ? 」 2019/09/26
藤月はな(灯れ松明の火)
11
「黒い玉」の不気味さに魅了され、こちらも読了。この世ならざる者が日常にひょっこりと現れる不気味さの描写がたまらなくも素敵でした。本当に短い話にも関わらず、人を惹き付けてやまない作品でした。2011/05/29
ハルト
6
奇妙で恐ろしい物語たち。悪夢のような作品たちによって、底知れぬ暗闇へと引っぱりこまれるような快感。恐いってすてき。2011/01/17
深川拓
3
発掘してたら出てきたので思わず再読。饒舌なのに背景をすべて語ることのない語り口が醸し出す味わいが上質。どれも自分の中の常識をずらしてはめこまれるような異様な余韻を残す秀作揃いだが、個人的には粗筋にも引用された『雌豚』が忘れがたい。何かを見たようで、しかし実は何も見ていなかったかも知れない、という足許が危うくなるような怖さがある。『城館の一夜』や『エルナ 一九四〇年』の、艶めかしさがあればこそ匂い立つ空虚もいい。2020/05/22
竜王五代の人
2
死と幻想がいろどる物語が多かった。その分わかりづらいというか理が通ってないものも多かった感も。中では、「黒い雌鶏」の、よくできた妻に反発する残虐な男、と思わせておいて……が、比較的わかりやすくてよかった。2022/07/04