内容説明
傑作「黒い玉」で知られるベルギー幻想派の作家による、ひと味ちがう不気味な物語16編。なんともいえない後味を残す「黒い雌鶏」、そして「雌豚」等々…。気味の悪い話、奇妙な話、怖い話がお好きな方々にそっとお届けする傑作短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ニミッツクラス
33
【日本の夏は、やっぱり怪談】〈其の三・和洋折衷〉94 年(平成6年)の税抜1553円の創元単行本初版。07年文庫化、20年復刊フェアで再版。80年の底本30編を14編と16編に2分冊した後者。底本は元来一冊なので分冊姉妹編「黒い玉」との違いをあえて精査する必要はないだろう(単純にテキスト量かも)。表題作は…ガラスの嵌った額縁の内側に青い蛇(邪悪?)がいる設定とそれを銃で撃つ行為…絵画へのリスペクトの無い無稽さ。「ベルンカステル…」と「危機」は吸血鬼物で、前者は意外と稀なエクソシズム描写が一興。★★★★☆☆2025/08/22
星落秋風五丈原
23
結構死んだ女性とセックスする話が多いベルギー印の幻想譚。エンドレスで悪魔に追いかけられる「晩にはどこへ? 」 2019/09/26
藤月はな(灯れ松明の火)
11
「黒い玉」の不気味さに魅了され、こちらも読了。この世ならざる者が日常にひょっこりと現れる不気味さの描写がたまらなくも素敵でした。本当に短い話にも関わらず、人を惹き付けてやまない作品でした。2011/05/29
ハルト
6
奇妙で恐ろしい物語たち。悪夢のような作品たちによって、底知れぬ暗闇へと引っぱりこまれるような快感。恐いってすてき。2011/01/17
竜王五代の人
3
死と幻想がいろどる物語が多かった。その分わかりづらいというか理が通ってないものも多かった感も。中では、「黒い雌鶏」の、よくできた妻に反発する残虐な男、と思わせておいて……が、比較的わかりやすくてよかった。2022/07/04