内容説明
ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』を俎上に、一人称の主体の解体と構築を試みた「ルイス・キャロル論」を始めとして、エラリー・クイーンやディクスン・カーなど、その名前をよく知られ、広く読まれてきた作家の論考だけでなく、著者が長年おこなってきた、ヒュー・コンウェーやバーサ・M・クレーなど、知る人ぞ知る作家の紹介・研究を集大成した画期的な評論集。また圧巻の、黒岩涙香翻案作品の原典探求も収録。今までなかなか触れられる機会のなかった英米古典ミステリの作家・作品に焦点を当てた、小森健太朗入魂の一冊。
目次
第1章 ルイス・キャロル論―アリスの「私」探しの旅
第2章 『妾の罪』における叙述トリックの位相
第3章 語られざるバーサ・M.クレーのミステリ
第4章 近代探偵小説の黎明を告げたヒュー・コンウェー
第5章 貸本小説の女王、メアリ・ブラッドン
第6章 ウィリアムスン『灰色の女』と黒岩涙香『幽霊塔』をめぐって
第7章 ファーガス・ヒューム論―19世紀と20世紀の狭間に埋もれた作家
第8章 二人のM・C―神智学ムーブメントと女性心霊主義作家の活躍
第9章 黄金期の諸作家
第10章 密室講義の系譜
第11章 クイーン論の断章
著者等紹介
小森健太朗[コモリケンタロウ]
1965年生まれ。東京大学文学部哲学科卒。82年、『ローウェル城の密室』が史上最年少の16歳で第28回江戸川乱歩賞の最終候補作となる。94年、『コミケ殺人事件』でデビュー。作家として活躍する傍ら、評論・翻訳活動にも力を入れる。2008年、『探偵小説の論理学』で第8回本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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志村真幸
SEI
野田有
katta
あんすこむたん