内容説明
SFとは何か。SF特有の感動とされる「センス・オブ・ワンダー」とは何か。そして、物語とは。想像力とは。作家・書評家として活躍する著者が、科学分野の成果をも視野に入れ、広汎な読書経験にもとづいて挑んだ、待望の長編評論。
目次
第1部 SFの原理(センス・オブ・ワンダーについて;スクリプト・物語・SF;科学と想像力 ほか)
第2部 SFの歴史(幻想とリアリティ;ハードSFとニュー・ウェーヴ;ジャンルの拡散)
第3部 現代のSF(神秘主義とSF;フェミニズムSF;性について ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
の
4
SFのテーマを学ぶ本。2020/08/23
松笠
4
SFをほとんど読んでいないことが勿体無く感じてしまう一冊だった。副題通り、SFの原理、歴史が語られる。本来はSF読み対象の評論なのだろうが、素人にも分かりやすく、また筆者の流麗な筆致も相まって、SFの魅力に溢れている。有名どころから読み始めていきたい。2017/01/17
水無月十六(ニール・フィレル)
2
SFとは何か、SFが与えるセンスオブワンダーとは。SF史にちょっとした心理学の話を絡めてSFというジャンルそのものを論考した本。ファンタジーとSFの境目とは。SFが与えてくれるものとはなど興味深い内容だった。簡単なSF史もしれるので、SF史入門としても良さそう。創作者としてSFを書いてみようと思ったり、趣味で書いている人も一度読んでみると役に立つと思う。もっと色々なSF作品を読んでみたいと思った。2022/03/07
AR
2
今思うと、SFを読みふける前に読んでおいた方がよかったのかもしれない。いや、ある程度読んでいても面白い本であった。そうか、そういう考え方があるのか。と、自分も筆者の想像に浸り、想像してしまうのが楽しい。2011/11/10
漬物石
1
創作をする人におすすめしたいです。「物語」が人に及ぼす影響力に驚かされます。本を読んだり映画を見たりすれば大体そこには「問い」があります。オトナになればそういう問いに一つ一つ答えたりもしませんが、自分自身の未来を認識し始める年頃の人には、この「お前はこの先どう生きるのか?」という物語からの問いは強烈に自分の自我を目覚めさせる切っ掛けとなると思います。特にSFは同時代性が強いジャンルだと思いますからなおさらでしょう。「物語」というものが僕らの生活の中でどのように作用しているのかを考えさせてくれた本です。2014/06/24