創元海外ＳＦ叢書 空のあらゆる鳥を

アンダーズ，チャーリー・ジェーン【著】〈Ａｎｄｅｒｓ，Ｃｈａｒｌｉｅ Ｊａｎｅ〉/市田 泉【訳】

東京創元社（2020/05発売）

• サイズ 46判／ページ数 377p／高さ 20cm
• 商品コード 9784488014643
• NDC分類 933
• Cコード C0097

出版社内容情報

魔法使いの少女パトリシアと天才科学少年ローレンス。特別な才能を持つがゆえに周囲に疎まれるもの同士として友情を育んだ二人は、やがて人類の行く末を左右する運命にあった。しかし未来を予知した暗殺者によって二人は引き裂かれてしまう。そして成長した二人は、人類滅亡の危機を前にして、魔術師と科学者という対立する組織の一員として再会を果たす……ネビュラ賞・ローカス賞・クロフォード賞受賞の傑作ＳＦファンタジイ。

内容説明

魔法使いの少女パトリシアと天才科学少年ローレンス。特別な才能を持つがゆえに周囲に疎まれるもの同士として友情を育んだ二人は、やがて地球と人類の行く末を左右する運命にあった。しかし未来を予知した暗殺者に狙われた二人は引き裂かれ、別々の道を歩むことに。そして成長した二人は、人類滅亡の危機を前にして、魔術師と科学者という対立する二つの秘密組織の一員として再会を果たす…。ネビュラ賞・ローカス賞・クロフォード賞受賞の傑作ＳＦファンタジイ。

著者等紹介

アンダーズ，チャーリー・ジェーン［アンダーズ，チャーリージェーン］ ［Ａｎｄｅｒｓ，Ｃｈａｒｌｉｅ　Ｊａｎｅ］
米国コネチカット州生まれ。ケンブリッジ大学で英文学とアジア文学を学ぶ。２０１２年に“Ｓｉｘ　Ｍｏｎｔｈｓ，Ｔｈｒｅｅ　Ｄａｙｓ”でヒューゴー賞中編部門を受賞。『空のあらゆる鳥を』でネビュラ賞長編部門・ローカス賞ファンタジイ長編部門・クロフォード賞の三冠に輝いた。２００８年にサイエンス・カルチャー・ウェブサイトｉｏ９を共同創設した人物でもある。トランスジェンダー女性で同性愛者

市田泉［イチダイズミ］
１９６６年生まれ。お茶の水女子大学文教育学部卒。英米文学翻訳家（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[榊原 香織]

サイエンスギークの少年と魔法使いの少女が出会い、将来の地球の危機に敵として向き合う、というファンタジーSF。　前半の小学校？のいじめ、成長してからのパリピ的ファッショナブル感、共にちょっと馴染めない。　作者はトランスジェンダー女性で同性愛者、ということは本来は普通の異性愛者かナ？

2023/06/07

[白玉あずき]

ネビュラとローカスのｗ受賞との事で大いに期待したが・・・・　科学の天才少年と魔法少女というわかりやすく受けやすい対立軸が現実の社会の複雑さを描き切れず残念。意識ある生命樹と自立学習型AIの融合が、人類と地球環境を救う事ができるだろうか？著者が「魔法」を何の寓意と捉えているのかはわからないが、現実にそのような都合の良い「パワー」なぞあるわけは無く。過去のSFとは異なり、「神」は死に人類の科学技術に対する絶対的信頼と賞賛も失われた現代。北欧の神々やら魔法やらが「復活」するのかという変な感慨にふけったのだった。

2020/07/23

[星落秋風五丈原]

パトリシアと天才科学少年ローレンス。特別な才能を持つがゆえに周囲に疎まれるもの同士として友情を育んだ二人は、やがて人類の行く末を左右する運命にあった。しかし未来を予知した暗殺者によって二人は引き裂かれてしまう。そして成長した二人は、人類滅亡の危機を前にして、魔術師と科学者という対立する組織の一員として再会を果たす。 　ここだけ書くとまるで世界の終わりに登場したロミオとジュリエットみたい。

2020/05/28

[ヘラジカ]

魔法使いの少女と天才科学少年、深く結びつきながらも別々の道を歩まざるをえなかった二人は、大人になったとき世界の崩壊を目前に再び人生が交錯する……。こんな物語が面白くないはずがない。上下二段組で400ページ近い長さもなんのその、一気読み不可避の傑作エンターテイメントだった。予言を受け執念を燃やす負け犬暗殺者、ハンサムな日本人の魔法使い、自我を持った人口知能などなど、ユニークなキャラもたくさん登場し、全く飽きさせる余地がない。科学と魔法が溶け合って結実する物語もお見事の一語に尽きる。ラストも素晴らしかった。

2020/05/09

[あさうみ]

色んな味が楽しめるSFファンタジーで読みやすく、するする世界に入る。魔法少女と科学少年（この設定だけで何冊もおかわりできるほど好み）、敵対しつつも歩み寄り、近づいては傷つく。子供時代から大人にかけ、ふたりの心情と恋愛の繊細さが良い。加えて自然破壊と科学の進化の破滅SFに爽やかさが素敵。

2020/06/06