出版社内容情報
肌が宇宙服になってしまう奇病? 恋人の手編みのセーターの中で迷子になる男? 誰もが金魚鉢を抱えていなければいけない星への休暇旅行?? とびきり奇妙な33編の短編集!
内容説明
こうしてぼくたちは休暇を過ごすために、だれもが常に巨大な金魚鉢を持ち歩かねばならない世界へテレポートする―不思議なバカンスの顛末(休暇旅行)、肌が宇宙服になって飛んでゆく奇病に引き裂かれる恋人たち(僕らが天王星に着くころ)、彼女の手編みセーターの中で迷子になる男(セーター)…不世出の天才作家による、とびきり奇妙だけれど優しく切ない33編の奇談集、待望の邦訳。2001年度フィリップ・K・ディック賞候補。
著者等紹介
ヴクサヴィッチ,レイ[ヴクサヴィッチ,レイ] [Vukcevich,Ray]
1946年アメリカ生まれ、オレゴン州在住。88年に作家デビューし、大学の脳科学研究室でプログラマーとして働くかたわら、SF系の文芸誌に短編を発表する。現在は専業作家。短編「ささやき」で2001年ブラム・ストーカー賞候補、中編“The Wages of Syntax”で04年ネビュラ賞最終候補。第一短編集である『月の部屋で会いましょう』は01年、ケリー・リンクが主宰する出版社スモール・ビア・プレスから刊行され、フィリップ・K・ディック賞の候補にもなった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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sin
58
SF?どこがって感じで奇妙な味わいと言い切ってしまうには微妙な味付け、奇想天外と与太話の波打ち際といった作品。読みやすいが世界観が独特なのでつるべ打ちに困惑して(なにせ一片が短いので)読み進むのにかえって大した手間がかかってしまうw。気まぐれと銘打ちながら生真面目な日本の作家と違って、クールに表現しようとするから本物のきまぐれ、ただ自分と他者との意思の疎通を無意識のうちに阻害している自分自身を表現する技巧はうまい!さあ、あなたはどう思った?2014/07/15
亜希
51
身体が宇宙服になったり、鼻の奥にゴキブリが詰まったり、息止めコンテストをしたり、血だらけで肉を散らばらせたり、セーターから頭が出せなくなったり、蛇を口ひげにしたり、就寝中の録音に見知らぬ男女の声が入っていたり…と奇想天外な33編の短編収録。こういった一筋縄ではいかない設定の話は、一気に読まずに毎夜1、2話ずつ読むべきですね。私は例によって一気読みしてしまったので途中でお腹いっぱいに。好きなテイストですが、面白いものとそうでないものの差が激しく、全体的にはそこまで…な印象です。2016/07/24
りー
50
面白い面白いと思って読んでいて、いざ人に勧めようと思って改めて読み返してみたら、取り立てて傑作と呼べる一編が見つからずに途方にくれた。一話一話が鋭いジャブみたいな作品集で、一撃の威力だったり、後でジワジワ効いてくる重さには欠けるものの、一話ごとのキレには目を見張るものがある。物語自体には典型的な哲学的SFが多いが、正統派というよりは奇想寄りの作風。SFファンより奇想ファンにオススメしたい。2014/08/14
こばまり
48
奇妙奇天烈規格外。なんと瑞々しい感性、これからが楽しみだなどど思いプロフィールを見ましたら母と同世代でのけ反りました。スパイスの効いたチョコのような読後感。1週間に1編ペースが今の私にはしっくりくるかもしれません。2015/06/20
藤月はな(灯れ松明の火)
48
初っ端の「僕らが天王星に着くころ」にノックアウト。切ない純愛小説じゃないか、これ・・・。だけど後半は厭な話、多め。特に「ささやき」の深夜に見ると絶叫必須のホラー映画CM的描写と「家庭療法」は家族の厭な面を鼻に入ったでっかいゴキブリに託して凄まじく、描いているのにげんなり。「僕の口ひげ」は爬虫類好きは大歓喜だけど多くの人は耐えられないよね・・・・・。2014/12/13
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