肩胛骨は翼のなごり

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  • サイズ B6判/ページ数 180p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784488013998
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

古びたガレージの茶箱のうしろの暗い陰に、僕は不可思議な生き物をみつけた。青蠅の死骸にまみれ、蜘蛛の巣だらけの彼は誰、…それとも、なに?夜明けの闇と光が繊細に溶けあう、どこにもない物語。カーネギー賞・ウィットブレッド賞受賞作。

著者等紹介

アーモンド,デイヴィッド[Almond,David]
イングランド北部のタイン川を見おろす、古びた炭鉱町に生まれる。一番幼いころの記憶は、おじの印刷工場で新聞が輪転機から刷り出されてくるのを魅入られたように見つめていたことだと回想する。“印刷インクがわたしの血には流れている”と語る。物書きになりたくて、20代初めには、カレッジで小説や詩や戯曲を書きかけたが、完成したものはひとつもなかった。1982年、28歳のときに仕事を辞めると、家を売却して得た金を手にコミューンへ移り、短編を書き出した。それらは文芸誌に掲載され、2冊の短編集にまとめられた。’88年、初めて書いた児童小説「肩甲骨は翼のなごり」が4日間で増刷がかかる大反響を呼び、カーネギー賞とウィットブレッド賞に輝く。63年におよぶカーネギー賞の歴史で、第一長編での受賞は、リチャード・アダムスの「ウォーターシップ・タウンのうさぎたち」をふくめ、わずか5度目の出来事だった
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

34
原題はこの奇妙な生き物の名前で、これは日本語題名にした方が良かったなと 思いました。聞いたことはないでしょうか。人間の肩胛骨は、かつて人間に翼があった時の名残りなのだと。マイケルが仲良くなった女の子ミナのキャラクターが魅力的。 ミナは学校に行ってないけれど、何かというとウィリアム・ブレイクの詩を口ずさみ、 「典型的!」が口ぐせ。学校に行ってないことを恥とは思ってない!と言い切るけど マイケルが学校で他の友達と仲がよさそうなのをちょっと嫉妬して意地を張って しまう、など気持ちが良くわかる。2005/12/15

ヴェルナーの日記

34
短い章をいくつも重ねた構成が斬新で、主人公マイケルの視点で描かれている。よって全ての状況を説明することがなく、それが反って作品に不可思議さを与えていると言える。作品全体が湖面に映った景色のようで、透明感が漂っていて、波紋がおこると消えてしまいそうで、儚さを感じさせる物語。2010/09/15

れいぽ

19
タイトルが秀逸ですね~。内容は不可思議なファンタジーという所でしょうか。日本では「ガレージ」とか「庭」とかいった単語から想像できる共有イメージがないので物語の底に流れるものを掬いきれなかったような。あとホント個人的な感想になってしまうけど、訳が自分に響いてこなかった。これは言葉の選び方の相性なので訳が悪いとか、そういう事ではないのです。江國香織さんや村上春樹さんが訳せば違う世界が見えたかなと。機会があれば原文で読みたいですw2010/09/03

タカギ

18
宮崎駿監督が推薦文を寄せている。なるほど、監督は海外の文学に多く触れているんだなー。新しい家に引っ越してきたマイケルが、倒壊寸前のガレージで出会った不思議な男。わたしは、装丁に引っ張られたのか、人形が見つかったのかと思っていたら、言葉を喋っている! その正体は、話を読み進めると少しだけわかる。マイケルの隣家の少女・ミナが、ちょっとエキセントリックで頭が良くて魅力的。あかちゃんもかわいい。宮崎監督の言う通り、変にひねくれていない、ステキな話でした。2016/03/10

hanemimi

17
タイトル&装丁借りで大正解。とても繊細で優しく美しい物語。妹思いで勇気あるマイケルと賢くてミステリアスなミナがかわいいし、両親や先生やお医者さんほかちょい役の大人たちもいい味を出している。なにより「彼」がたいへん魅力的。劇的な描写はすくなくむしろ抑制がきいているのに、読み終えたあと、世界は不思議と驚異に満ちたすばらしいところなんだなあと思えます。そして、ブレイクが読みたくなった。2009/03/05

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