内容説明
六つの川面に浮かぶ死体、描かれる風景。実力派作家6名が「川と死体」を題材に競い合う!美しく、トリッキーなミステリ・アンソロジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミナコ@灯れ松明の火
34
6人6様の「川(もしくは山)に死体のある風景」。歌野さん、綾辻さん、有栖川さんは馴染み深い文章に安心感さえ覚えてしまう。流石の高クオリティ。「川」と「死体」の親和性が高いせいか、どの作品も頭に絵が浮かびやすくて、すらすらと楽しく読めた。川と一言で表しても、その流れも風景も岸辺の人たちの背景も、それぞれ。それぞれの作家さんの筆の印象も、当たり前だけれど面白いくらいに異なっていた。3人の大御所の名前に惹かれて読んだけれど、その先に新しい出会いがあるのがアンソロジーの嬉しいところ。2012/01/11
みや
32
6人の作家が「川と死体」をテーマに書いたミステリアンソロジー。6作全て面白かった。テーマが緩いので、作品ごとに雰囲気が大分異なっている。各人のあとがきで制作秘話を読めるのも嬉しい。歌野晶午「玉川上死」が一番好き。ゲームという飄々とした始まりから、この苦々しい結末に辿り着くとは思わなかった。有栖川有栖「桜川のオフィーリア」桜に包まれた美少女の姿が目に浮かぶ。印象的な一作。綾辻行人「悪霊憑き」唯一既読作。単品で深泥丘作品を読むと、正に異世界に紛れ込んだ気分。あとがきの「書かれなかった川ミス」が一番面白そう。2016/10/19
こにゃ
29
人気作家さん達の競作ミステリ。表題を時々忘れてしまいそうな程、それぞれとても個性的な風景。短編なので、少し物足りなく感じるのは仕方ないですね。それぞれの作家さんがあとがきまで付けて下さっているので、それを読めて何だか得した気分です。それぞれの作家さんの長編をメインとすれば、こちらは前菜な感じでした。2013/06/25
ハンナ
28
図書館。確か、歌野の短編集でこの本の存在を知って読んでみたいと思っていたもの。有栖川のものは短編集で読んでいた。綾辻のものはしょっぱななから京極堂が出てきて驚いたが、あとがきをみてさらにびっくり。あのプロットの作品も読んでみたいと思うのだけれど…。黒田、大倉はたぶん初読み。佳多山はどちらかというとミステリの解説というイメージがあったので、作品が読めてよかった。すでにこれも文庫化しているということで、前の2作品もあるハズ。短編集で今まで読めなかった作家と会えるのは楽しい。2017/01/06
takaC
26
「桜川のオフィーリア」はすぐ気が付いた。女王国読み切っていないけど。2010/05/06