その昔、N市では―カシュニッツ短編傑作選

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その昔、N市では―カシュニッツ短編傑作選

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  • サイズ 46判/ページ数 220p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488011178
  • NDC分類 943
  • Cコード C0097

出版社内容情報

日常に忍びこむ幻想。戦慄の人間心理。
奇妙な出来事が人々を翻弄する――。
その、巧みな一撃。
戦後ドイツを代表する女性作家の名作を集成した、
全15作の日本オリジナル短編集!

ある日突然、部屋の中に巨大な鳥が現れる「ロック鳥」、旅行から帰ったら、自分が死んだと知らせてきた女がいたという話を聞く「六月半ばの真昼どき」、見た夢と現実が区別がつかなくなっていく少女を描く「ジェニファーの夢」、間違えて違う船に妹を乗せてしまった兄のもとに、常軌を逸していく妹の手紙が届き続ける「船の話」。日常に幻想が忍び込み、人間心理の恐さが背筋を震わせる。戦後ドイツを代表する女性作家の粋を集めた、本邦初訳7作を含む全15作の傑作短編集!

■目次
「白熊」
「ジェニファーの夢」
「精霊トゥンシュ」
「船の話」
「ロック鳥」
「幽霊」
「六月半ばの真昼どき」
「ルピナス」
「長い影」
「長距離電話」
「その昔、N市では」
「見知らぬ土地」
「いいですよ、わたしの天使」
「人間という」

内容説明

兄は船旅に出る妹を見送ったが、それは彼女が乗る予定の船ではなかった。ひと月後、妹から手紙が届く。彼女は、その船では日付も時刻も現在位置も確認できないと書いていた。手紙を読み進めるにつれ、内容はさらに常軌を逸していき…(「船の話」)。ある日突然、部屋の中に謎の大きな鳥が現れる。“わたし”は、なぜか外に出ていかない鳥の正体を突き止めようとするが…(「ロック鳥」)。旅行から帰ったら、自分が死んだとアパートの住人に触れまわった女がいたという奇妙な話を聞かされて…(「六月半ばの真昼どき」)。大都会N市では、死体から蘇生させられた“灰色の者”たちが、清掃や介護などの労働を人間の代わりに行っていた。彼らに生前の記憶は一切なく、恐怖も希望も憎悪も持ち合わせていない。しかしある時、“灰色の者”たちにすさまじい変化が訪れ…(「その昔、N市では」)。日常に忍びこむ奇妙な幻想。背筋を震わせる人間心理の闇。懸命に生きる人々の切なさ。戦後ドイツを代表する女性作家の粋を集めた、全15作の日本オリジナル傑作選!

著者等紹介

カシュニッツ,マリー・ルイーゼ[カシュニッツ,マリールイーゼ] [Kaschnitz,Marie Luise]
1901年、ドイツのカールスルーエ生まれ。詩人、小説家。考古学者の夫の任地を転々とし、フランクフルトやローマに滞在。1930年代から創作活動を開始し、詩や小説、ラジオ・ドラマの脚本、エッセイなど多くの領域で活躍した。1955年にビューヒナー賞を、1970年にヘーベル賞を受賞。1974年没

酒寄進一[サカヨリシンイチ]
ドイツ文学翻訳家、和光大学教授。主な訳書として、2012年本屋大賞翻訳小説部門第1位に選ばれたシーラッハ『犯罪』、2021年日本子どもの本研究会第5回作品賞特別賞を受賞したコルドン“ベルリン三部作”などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちょろこ

129
不安感がたまらない一冊。15編が織りなす幻想物語。すごく好み、ハマる世界観だった。スタートの「白熊」から、何が起きているのか、夢なのか、暗闇の中のとてつもない不安感がまとわりつくのがたまらない。しかも日常のひとコマを描いているから余計にざわざわとさせられた。どれも粒ぞろいだけれど「船の話」「幽霊」「いいですよ、私の天使」が印象的。読み進めるほど増していく不安感と恐怖感が絶妙だったと思う。こういう終始曖昧な地に足が着いていないような時間、そこにぱらりと怖さひと匙加わるような世界観が改めて好きと実感した。2023/03/21

ケンイチミズバ

111
二人とも土地感があり、列車は森のカーブ手前で速度を落とすことを知っていた。しかし、飛び降りたのは妹だけ。姉はそのままアウシュビッツへ。戻ったのは義理の妹だけだったことの落胆、なぜ妻でなく妹なのか。義兄の心の中を思いながらかくまわれ暮らすことに生きている意味を見失う。降りられない船、自分から見えるのに相手には見えない、出したはずの声が相手には聞こえていない。その逆、声だけが戻ってきた夫。いずれも死んだ人、もう戻らない人のことを表現するもの。ゴーリーの挿絵がピッタリな世界観。奇譚の数々。ちょっと怖くて悲しい。2023/05/08

がらくたどん

90
初めてのカシュニッツ。「初読み」というより「初体験」が似合う読み心地。不安と不条理が手を取り合って自分の周りを輪を狭めたり広げたりしながら楽し気に回り続けるそんな物語群が15作。もちろんあり得そうにない出来事ばかり。でも読むほどに物語は読者が自分の中で眠っている「あり得る」心理に気づいてしまうように計算されている。幻想への期待と畏れ・逃亡への願望・破滅への恍惚、増幅されてないから目立たないけど確かに全部ある。白熊・巨大鳥・灰色ゾンビと超常群が妙にカワイイので読みながらフォフォフォと変な声で笑ってしまった♪2023/02/24

aquamarine

82
短編が15編。SFなのかファンタジーなのか、奇妙な味というべきか、あるいはホラーなのか。どれも最後に絶妙な不安定さを残すのだが、その不安定さがたまらない。まるで魅入られたかのようにじっくり一編ずつ堪能した。日常だと思っていたものがそっと非日常に侵食されていく様は、人間の心理の奥を暴き出した結果なのか。特に印象深いのはありそうな心理戦「長距離電話」、目的地の違う舟に乗せてしまった妹から届く手紙「船の話」、夢か現か「四月」。そして表題作はかなり前の作品なのに、とその描写と結末に驚愕。とにかく雰囲気が好き。2023/07/12

HANA

81
短編集、話の長さは短めだが、そこに満ちる緊迫感は只事ではない。平凡な日常のはずがそこに何かが忍び寄る事によって、そこは一気に奈落へと化していく。どの話も完成度は極めて高いのだが、個人的なお気に入りは「精霊トゥンシュ」。何という事は無いまじないのはずだったのが、ある一行を境に物語は一気に不穏な相を表していくのはもう最高。他にもある出来事がどこまでも疵を残す「六月半ばの真昼どき」の有様や、間違えて予定とは違う船に乗せてしまった妹から届く手紙の変容が怖い「船の話」等どれも一気に読ませさせられるものばかりでした。2023/10/04

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