厳寒の町

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  • サイズ B6判/ページ数 413p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784488010911
  • NDC分類 949.53
  • Cコード C0097

出版社内容情報

男の子の年齢は十歳前後。地面にうつ伏せになり、体の下の血だまりは凍りはじめていた。アイスランド人の父とタイ人の母の間に生まれた男の子は、両親の離婚後母親と兄と一緒にレイキャヴィクのこの界隈に越してきた。人種差別からくる殺人が疑われ、エーレンデュルら捜査陣は、男の子が住んでいたアパートや通っていた学校を中心に捜査を始める。世界のミステリ界をリードする著者が現代社会の問題にメスを入れた、シリーズ第5弾。

内容説明

男の子の年齢は十歳前後。地面にうつ伏せになり、体の下の血溜まりは凍り始めていた。アイスランド人の父とタイ人の母の間に生まれた男の子は、両親の離婚後、母親と兄と一緒にレイキャヴィクの住宅街に越してきた。人種差別的な動機による殺人が疑われ、エーレンデュルら捜査陣は、男の子が住んでいたアパートや通っていた学校を中心に捜査を始める。CWAインターナショナルダガー賞最終候補作、世界のミステリ界をリードする著者が現代社会の問題にメスを入れた、シリーズ第5弾。

著者等紹介

インドリダソン,アーナルデュル[インドリダソン,アーナルデュル] [Indridason,Arnaldur]
1961年アイスランドの首都レイキャヴィク生まれ。父親は高名な作家インドリディ・G・トーステンソン。アイスランド大学で歴史学と映画を専攻し、新聞社に就職。その後フリーの映画評論家になる。1997年にレイキャヴィク警察の犯罪捜査官エーレンデュルを主人公とするシリーズ第一作Synir duftsinsで作家デビュー。3作目にあたる『湿地』と次の『緑衣の女』で2年連続してガラスの鍵賞を受賞。『緑衣の女』では、英国のCWAゴールドダガー賞も受賞している

柳沢由実子[ヤナギサワユミコ]
1943年岩手県生まれ。上智大学文学部英文学科卒業。ストックホルム大学スウェーデン語科修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紅はこべ

185
国土が狭くて自殺率が高いってアイスランドは日本に似ている。でも小学校の校長が我が校では人種的偏見は許さないと断言するように、人権意識は日本より遥かに高い。暖かい東南アジアから雪と氷の国のアイスランドへの移住者が多いってそれが理由かな。北欧語は習得が他のヨーロッパ言語より難しそうだけど。そんな国でさえ差別や偏見がある。たまたまそこにいたから、黒髪だったから襲われるなんて、誰でも良かったから殺したかったという日本の少年と同じくらいひどい。残された謎は次作以降受け継がれるのか?2019/12/05

ケイ

139
最後まで犯人の予想がつかないところや、子供の頃からのしかかる謎、恐怖を掻き立てる男、親しい人の死、子供たちとの会話など、いろんな要素が物語を盛り立てているが、インドリダソンと言えども移民問題が絡んでくると中途半端になってしまってはいまいか、と思う。自分と同じアジア系だが、明らかに違うところもあるタイ人女性の人物像が全く見えてこない。アジア系の子供たちだけでつるむのは分かるが、彼らは一体何語で話しているのかとか…。しかし、その不自然さに、作者の複雑な胸中が透けて見える気もする。2019/10/29

のぶ

121
アイスランドが舞台の、エレンデュルシリーズの第5作。今回、事件自体は比較的シンプル。極寒の地で十歳前後の男の子が、地面にうつ伏せになった状態で遺体が見つかる。捜査でアイスランド人の父とタイ人の母の間に生まれたエリアスと判明する。移民として移り住んできた被害者は、人種差別的な動機による殺人が疑われ捜査が進められる。物語はこの事件を軸に展開されるが、根底に移民問題が関わっている事が徐々に明らかになる。やや単調な印象を受けるが、人物造形が良く出来ていて一気に読ませる作品だった。2019/10/13

ちょろこ

120
相変わらず目が離せない、一冊。今回は凍てつく寒さの中、黒髪が半分凍りついた状態で発見された10才の少年の、他殺という衝撃的な事件。終始、暗い鈍色の空が目に浮かび、ひたすら冷たい風が吹きつける感覚。しかもメンバーそれぞれの心も厳寒の冬状態のようで相変わらず目が離せない。スローペースながらも移民、難民受け入れ問題、人種差別を根底にじっくり少年の死の真相に迫る、読ませる世界だった。移民に対するアイスランド人の賛否両論、渦巻く思いも、他国のこととは言え、心に残る。彼らの心の雪解けは来るのか…次作が待ち遠しい。2019/10/02

榊原 香織

105
アイスランドミステリ5作目。 人口少ない国にも、いや、だからこそ、移民問題が押し寄せてる。 数世代遡れば皆親戚、独自の難しい言語、自国の歴史に崇敬の念、の国だから余計に難しそう。2021/02/15

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