刑罰

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  • サイズ 46判/ページ数 213p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488010904
  • NDC分類 943
  • Cコード C0097

出版社内容情報

ダイバースーツを着て浴室で死んでいた男。裁判で証人の抱える孤独に同情してしまった参審員。人身売買で起訴された犯罪組織のボスを弁護する新人弁護士。高級ホテルの部屋で麻薬常習者になったエリート男性。――実際の事件に材を得て、法律で裁けない罪をめぐる犯罪者や弁護士たちの素顔を、切なくも鮮やかに描きだす。本屋大賞「翻訳小説部門」第1位『犯罪』、第二作『罪悪』を凌駕する珠玉の短篇集。短篇の名手が真骨頂を発揮した最高傑作!

内容説明

黒いダイバースーツを身につけたまま、浴室で死んでいた男。誤って赤ん坊を死なせてしまったという夫を信じて罪を肩代わりし、刑務所に入った母親。人身売買で起訴された犯罪組織のボスを弁護することになった新人弁護士。薬物依存症を抱えながら、高級ホテルの部屋に住むエリート男性。―実際の事件に材を得て、異様な罪を犯した人々の素顔や、刑罰を科されぬまま世界からこぼれ落ちた罪の真相を、切なくも鮮やかに描きだす。本屋大賞「翻訳小説部門」第1位『犯罪』で読書界を揺るがした短篇の名手が、真骨頂を発揮した最高傑作!

著者等紹介

シーラッハ,フェルディナント・フォン[シーラッハ,フェルディナントフォン] [Schirach,Ferdinand von]
1964年、ドイツ・ミュンヘン生まれの作家。ナチ党全国青少年最高指導者バルドゥール・フォン・シーラッハの孫。1994年からベルリンで刑事事件弁護士として活躍する。2009年に『犯罪』で作家デビューし、ドイツ屈指の文学賞であるクライスト賞を受賞した。同書は日本でも2012年本屋大賞「翻訳小説部門」第1位、『このミステリーがすごい!2012年版』海外編の第2位に輝いた

酒寄進一[サカヨリシンイチ]
1958年生まれ。ドイツ文学翻訳家。上智大学、ケルン大学、ミュンスター大学に学び、新潟大学講師を経て和光大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

255
フェルディナント・フォン・シーラッハは、新作をコンスタントに読んでいる作家です。刑罰と訴訟のダークで人の闇に踏み込む、著者真骨頂の連作短編集でした。オススメは、『参審員』&『リュディア』&『奉仕活動』の3本です☩☩☩2019/06/26

紅はこべ

171
現在の日本が罰を受けるべき人が罪を逃れているという状況なので、検察や判事職にある人にこの本を読ませたいと思った。そしてどんなに心証が真っ黒でも、法に則れば、釈放せねばならないというジレンマ。「奉仕活動」が特に辛かった。女の復讐は巧みだ。ラストの一編は、フィクションなのか、シーラッハの実体験なのか。2019/11/15

ケンイチミズバ

156
だれしも自分が納得いく生活を営む権利があり、他人に害を及ぼさぬ限り国家はそこに関与しない。パートナーへの行為は攻撃であり、被告人の凶悪さは妻を暴行された人の反応と大差ない。しかし正当防衛の範疇を超える。裁判長がなんと言おうがあれは必要な行為だった。ラストはシーラッハのパターンとは言え突き刺さる。ラブドールは性的嗜好品でもあるが、人間のように愛情を注ぐ人が少なからずいる。留守中に損壊された行為は妻へのレイプにも等しいと司法が判断するのは欧州ならでは。日本ならこの裁判はスポーツ誌が変態とか見出しを付すだろう。2019/07/01

ケイ

148
デビュー作『犯罪』 を思わせる内容だが、一つ一つが濃厚で円熟度がさらに増した短編集。裁かれなかったが、残る罪。司法の原則は情緒に左右されてはならない。立証できない罪は裁けない。しょうもない犯罪者を弁護せねばならぬ弁護士の葛藤。それらは人を破壊する。『参審員』陰鬱。カタリーナの心の痛みにひどく共感した。 『逆さ』これは子気味よかった。ヤセルが最高。蛇の道は蛇、餅は餅屋ってことか。『湖畔邸』~法治国家は、真実を明らかにするためだからといって何をしてもいいわけではなく、自らに制限をかける。それを貫く姿勢に感服。2019/08/04

のぶ

126
自分はこういう短編集の感想を纏めるのがとても苦手だ。決してつまらないわけではなく、むしろ短い中に深いものが詰まっている。多くの作品が犯罪に関する、裁判、弁護、銃等を取り入れた犯罪小説集になっている。異様な罪を犯した人々の素顔や、刑罰を科されなかった罪の真相。ここで描かれているのは、人間の残酷さや正義に入り混じっている人間の性(さが)文章は読みやすいのに内容は重く、じわじわと圧し掛かっている。過去のシーラッハの本もすべて読んでいるはずだが、本作でも、らしさが存分に出ていた一冊だった。2019/06/27

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