出版社内容情報
愛妻を亡くし、ケンブリッジの図書館を定年退職したばかりのわたしのもとへ、ある日一通の奇妙なメールが届く。添付されていたフォルダにはなんと、人間の言葉をあやつる猫が語る血も凍るような半生がおさめられていた! わたしはその話にすっかり魅了され、真偽を確かめようと調査にのりだすが……。ミステリ、ホラー、文学への愛とユーモアがたっぷり詰めこまれた不思議でブラックな物語。
内容説明
愛妻を亡くし、ケンブリッジの図書館を定年退職したばかりのわたしのもとへ、ある日一通の奇妙なメールが届く。添付されていたフォルダには、突然失踪した姉をさがす男の手記と、その女性に飼われていた猫に関する信じがたい情報がおさめられていた。猫は人間の言葉をしゃべり、血も凍るような過去を語っていた―。わたしは好奇心に駆られて、真偽を確かめようと調査にのりだす。予測不可能な恐ろしい事態に巻きこまれるとも知らずに…。ミステリ、ホラー、文学への愛がたっぷり詰めこまれた、不死の猫をめぐる不思議でブラックな物語!
著者等紹介
トラス,リン[トラス,リン] [Truss,Lynne]
イギリス生まれの作家、コラムニスト、ジャーナリスト。BBCラジオのパーソナリティも務めている。数多くの小説やノンフィクションを発表
玉木亨[タマキトオル]
1962年東京都生まれ。慶應大学経済学部卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
211
タイトルと表紙に魅かれて読みました。リン・トラス、初読です。猫ホラーファンタジーの佳作でした。人間は「猫に九生有り」 なんていう諺を勝手に考えて酷いにゃあ(=^・・^=) 因みに著者は猫派から犬派に転向したそうです。8月は本書で読了です。2019/08/31
夜間飛行
138
元司書の男が、メールに添付された未知の画像や文書を開く所から始まる。そこには或る男が、失踪した姉の家でしゃべる猫に出会うという、あり得ない出来事が記録されていた。思わず漱石やジブリを連想してしまうが、これは一風変わった恐怖小説だ。猫のロジャーは、恐ろしいやり方で8回も殺され9回の生を得た過去を、ミルトンやニーチェに言及しながら語る。生も言葉も人が神から授けられたものだとすれば、その聖なる約束を無効化する猫は邪悪な存在ということになろう。が、気ままな猫たちは社会的束縛から人を解き放つ仲間にも思えるのだった。2019/09/23
ままこ
104
序盤は読みにくく頭がこんがらがったが、あるページを境にピタピタっと話が繋がっていき徐々に読むスピードも上がった。理知的で謎めいた猫“ロジャー”の存在を軸に話は進んでいく。猫の甘える仕草や狩ってきた獲物のプレゼントにはそんな陰謀説もあるのか…うちの猫達は違うと思いたい。キャプテンも恐ろしかったけど黒幕はさらにムカつくほど邪悪💢猫好きには辛い場面もあった。映画や小説のオマージュも入ったミステリ要素もあるブラックファタジー。2019/08/30
ゆのん
62
最愛の妻を突然亡くし愛犬と共に定年後海辺のコテージへと出掛ける元図書館司書の主人公。そこで奇妙なメールを受け取るところから物語は始まる。ダークファンタジー・ホラー・ミステリーを1冊で楽しめた。誰が敵で誰が味方なのかハラハラしながら読んだ。若干残酷な描写もあるがゾクゾクさせるのは敵の邪悪さ。大好きな出版社というのが読む動機だったが可愛らしいジャケットに惹かれる人もいるかもしれない。ホンワカファンタジーではないのでご注意を。3322019/11/03
yukision
49
予備知識の無いまま表紙とタイトルだけで選んだこともあり,最初は全く内容が掴めず文字を追うのが精いっぱいの読書。中盤あたりから全体像が見えてきて一気に興味が持てた。想像以上にブラックだった。2019/10/09