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湖の男

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  • サイズ B6判/ページ数 426p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784488010706
  • NDC分類 949.53
  • Cコード C0097

出版社内容情報

干上がった湖の底で発見された白骨。頭蓋骨には穴があき、壊れたソ連製の盗聴器が体に結びつけられている。エーレンデュルらは、丹念な調査の末、ひとつの失踪事件に行き当たった。農機具のセールスマンが、婚約者を残し消息を絶ったのだ。男は偽名を使っていた。男は何者で、何故消されたのか? 過去に遡るエーレンデュルの捜査が浮かびあがらせたのは、時代に翻弄された哀しい人々の真実だった。北欧ミステリの巨人渾身の大作。

内容説明

干上がった湖の底で発見された白骨。頭蓋骨には穴が空き、壊れたソ連製の盗聴器が体に結びつけられている。エーレンデュル捜査官たちは、丹念な捜査の末、ひとつの失踪事件に行き当たった。三十年前、一人の農業機械のセールスマンが、婚約者を残し消息を絶っていたのだ。男は偽名を使っており、アイスランドに彼の記録は一切なかった。男は何者で、なぜ消されたのか?過去にさかのぼる捜査が浮かび上がらせたのは、時代に翻弄された人々の哀しい真実だった。北欧ミステリの巨人渾身の大作。

著者等紹介

インドリダソン,アーナルデュル[インドリダソン,アーナルデュル] [Indridason,Arnaldur]
1961年アイスランドの首都レイキャヴィク生まれ。父親は高名な作家インドリディ・G・トーステンソン。アイスランド大学で歴史学と映画を専攻し、新聞社に就職。その後フリーの映画評論家になる。1997年にレイキャヴィク警察の犯罪捜査官エーレンデュルを主人公とするシリーズ第一作Synir duftsinsで作家デビュー。3作目にあたる『湿地』と次の『緑衣の女』で2年連続してガラスの鍵賞を受賞。『緑衣の女』では、英国のCWAゴールドダガー賞も受賞している

柳沢由実子[ヤナギサワユミコ]
1943年岩手県生まれ。上智大学文学部英文学科卒業。ストックホルム大学スウェーデン語科修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紅はこべ

197
TVでアイスランドは国民の幸福度が高い国と言っていたが、このシリーズを読む限りそうは思えない。単にエーレンデュル一人が暗いだけかも知れないが。夏より冬が好きって言ってるし。愛する人を失った人々の物語。トーマス、アスタ、事故で妻子を亡くした男、そしてエーレンデュル自身。事件そのものは単純。遺体と東側の関係、レオポルドは何者かという問題だけだから。ミスディレクションに凝っている訳でもないし。アイスランドって冷戦当時どちら側が主流だったの?ロータルが何をしていたのか、いまいちはっきりせず。2018/01/09

ケイ

139
アイスランドの刑事エーレンデュルシリーズ。水がひいていく湖から見つかった骸骨が冷戦時代のものだったことで、その時代のアイスランドが置かれた東西の中での立ち位置や、国内の共産主義者の活動が、捜査の中で明らかになってくる。登場人物らを疑ってみれば、誰もかも怪しく、何も信じられない気持ちに私すらなった。息子が語る娘のパートだけ、話の展開のためにこじつけた?と感じるわざとらしさがあるが、それに続くエーレンデュルが車を運転する夢はとてもよく、印象に残った。最新作も早く手に撮りたいな。2019/10/07

星落秋風五丈原

108
アイスランドは歴史上一度も軍隊を所有していない。アメリカ空軍基地が駐留し、冷戦時代は重要な戦略拠点となっていた。基地が撤収されたのは2006年。犯罪すらいきあたりばったりで頼りないと思われたかもしれないが自分達の国だけで全てを決められなかったという事になるまいか。女性や子供に個人が加える暴力がテーマだったシリーズに国家という存在が登場。今回のキーワードは過去。登場人物達はほぼ全員過去に囚われている。前に進むことを選んだエーレンデュルが、真の意味で過去から解放される時が、いつか訪れることを願ってやまない。2017/10/08

のぶ

107
好きなシリーズで読み続けているのだが、本作も楽しめた。冒頭に湖で白骨化した死体が発見される。死体にはソ連製の壊れた盗聴器が結びつけられていた。エーレンデュルらは捜査を開始するが、死体の身元はすぐには明らかにされず、ストーリーは東西冷戦時代のソ連や東ドイツに移っていく。並行して描かれる一人の男の追想。全体としてフーダニットミステリーの要素は薄く、どちらかというと旧社会主義の暗部を殺人事件に結び付けていたような印象が強い。ただこの時代のアイスランドの置かれた歴史的背景が良く分からず、もどかしいものが残った。2018/01/22

さと

105
自分たちが生きていく世界は夢と希望に満ち、自分はその先導者となると信じていた青年は、やがて愛する者を失い猛り狂う。自らの言動や信じた仲間が招いた現実を知った時、人として生きていく事のバランスを保つ術を私とて見いだせないだろう。殺害や、失踪の謎に拘るエーレンデュルは、その先に自分自身が抱える“なぜ⁇”の答えがあると信じているかのようで痛ましい。「湿地」に始まる彼の作品を読み重ねるにつれて、エーレンデュルの心がどうか折れないようにと祈る自分がいる。2019/11/27

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