影なき者の歌

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  • サイズ B6判/ページ数 211p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488010461
  • NDC分類 K933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

ゴブリンにもらった笛をカイルが吹くと、影がなくなってしまった。影がないのは死者だけ。取り戻すためのカイルの奮闘がはじまる。全米図書賞受賞の『仮面の街』続編登場!

内容説明

カイルの家はパン屋兼酒場。母は街いちばんのパン職人だ。パンをあげたお礼にゴブリンからもらった小さな笛をカイルがひと吹きすると、なんと影がなくなってしまった。影がないのは死者。家族からもカイルは死んだことにされてしまう。「わたしは生きているのに!」影を取りもどすためのカイルの奮闘が始まる。一方ゾンベイの街には、刻一刻と洪水が迫っていた。洪水から石造りの橋を守るためには、楽土たちが演奏しなくてはならない。そしてカイルの死んだ祖父も橋の楽士だったというのだ。ミソピーイク賞最終候補作。ル=グウィン、ピーター・S・ビーグル絶賛、全米図書賞受賞の『仮面の街』姉妹編登場!

著者等紹介

アレグザンダー,ウィリアム[アレグザンダー,ウィリアム] [Alexander,William]
米、オベリン・カレッジで演劇と民俗学を、バーモント大学で英語を学ぶ。現在はミネソタ州ミネアポリスで教師をしつつ創作活動をしている。雑誌に短編をいくつも発表した後、『仮面の街』で長編デビュー、いきなり2012年の全米図書賞を受賞した

斎藤倫子[サイトウミチコ]
1954年生まれ。国際基督教大学語学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

マツユキ

15
表紙に惹かれて、読みました。パン屋兼酒屋の娘、カイルが、ゴブリンから貰った笛を吹くと、影が消えてしまい、死者として扱われる事に…。多くは語られていないんだけど、興味深い舞台設定でした。そんなに盛り上がりませんが、少女の活躍に、物語の行方が気になって仕方がありませんでした。姉妹編の『仮面の街』も読みたい。2021/12/03

鳩羽

10
パン屋の娘カイルは、ゴブリン一座にもらった骨の笛を吹いて自分の影を無くしてしまう。影がないと生者とは見なされず、家族に弔われ無視されて、行き場をなくしてしまったカイルは、ゴブリン一座を探すが…。『仮面の街』の話を別の人物の視点で描く姉妹編。割と典型的な影との対話、協力があって、理想的な結合に至る。音楽の、何かをばらばらにし、また結びつけるという力がよく合っていて、短いけれど納得できる。この世界観が好きなので、壮大なストーリーを追うのよりも、掌編を集めた短編集みたいなのが出て欲しいと思った。2015/09/05

花林糖

9
(図書館本)『仮面の街』の姉妹編。パン職人の娘カイルが主人公。「仮面の街」を読んでいなくても楽しめます。前作は少し読みにくさを感じたけれど、こちらはとても読みやすかったです。こちらの方が好みだったからかな。2015/09/20

詩歌

9
洪水の前後に、物語がひとつだけ進行していたわけではなかった。「仮面の街」の姉妹編、パン職人の娘カイルの物語。思い出の中の祖父、憎たらしい弟、時に苛つくもう一人の自分には身に覚えがある。死者の謎に巻き込まれたカイルは、歌と影を頼りに渦中に飛び込む。影と悪鬼と音楽の関係性の不思議を追ううちに耳を澄ませて聞き取れたのは、全編通じて繰り返される「聴く」ことの重要性。2015/09/17

水無月

7
『仮面の街』姉妹編。同じ街の同じ時間帯に起きていたもう一つの物語。スチームパンクな世界が魅力的。ゴブリン、〈変化したもの〉、心臓から造られる炭、とファンタジー好きの心を揺さぶる設定を あちらこちらに配置。作者の中で完成している世界や設定があると見て取れるのに、物語に必要な最低限の情報しか語られない。だからこそ想像力を刺激されます。前作より小粒だけど展開を追うのが楽しいお話でした。2019/09/15

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