出版社内容情報
共産党青年団に入団し、逮捕されて収容所に送られてしまったファリード。無理矢理従兄弟と結婚させられてしまった恋人のラナー。それぞれに訪れた地獄の先に待つものとは。
内容説明
1959年秋、シリア。好成績で高校を卒業し大学進学が認められたファリードは、友人の影響で共産主義青年同盟に入る。同じく大学に進学したラナーとは秘密裡に交際をつづけていたが、混乱を極める政情の中で秘密警察に逮捕されてしまう。そして共産主義を捨てることを拒否したためダマスカス郊外の収容所に送られ、日常的に虐待を受ける獄中生活が始まる。一方ラナーは、収容所送りとなったファリードを想いながら暮らすしかなかったが、家族の卑劣な企てによりいとこに暴行され、無理矢理結婚させられる。心を閉ざして結婚生活をやりすごそうとするが、ついに精神に変調を来しはじめてしまう。それぞれに訪れた地獄の先に待つものとは―。今世紀最大級の世界文学、堂々の完結。
著者等紹介
シャミ,ラフィク[シャミ,ラフィク] [Schami,Rafik]
1946年シリア、ダマスカス生まれ。1971年にドイツのハイデルベルク大学へ留学する形で亡命する。文学集団“南風”を仲間と立ち上げ、外国人労働者によるドイツ語文学の先駆けとなった。受賞歴も多く、ドイツ語を母語としないドイツ語作家に贈られるシャミッソー賞の、第1回(1985年)では奨励賞、1993年には本賞に輝く。『愛の裏側は闇』の英語版に対してブック・オブ・ザ・イヤー賞銀賞(2009年)とIPPYゴールドメダル賞(2010年)、2011年には作家としての全活動に対して「忘却に抗して―民主主義のために」という賞を受けている
酒寄進一[サカヨリシンイチ]
1958年生まれ。ドイツ文学翻訳家。上智大学、ケルン大学、ミュンスター大学に学び、新潟大学講師を経て和光大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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