出版社内容情報
殺し合うふたつの一族に生まれた男女の秘めた恋物語と、秘密警察の殺人事件。二つの出来事が304の章を通してひとつに繋がり、シリアの100年にわたる壮大な物語が描かれる。
内容説明
「ねえ、ぼくたちの恋は本当にうまくいくと思う?」1960年春、シリア。ムシュターク家のファリードとシャヒーン家のラナーは、一族の者に隠れて逢瀬を続けていた。十二歳で出会ってすぐ、恋に落ちたふたり。しかし片田舎のマーラ村に住む両家は、何十年ものあいだ血で血を洗う争いを続ける仇敵同士だったのだ。一方、1969年のダマスカスで、礼拝堂の壁にぶら下げられた篭の中から、首の骨を折られた男の死体が発見される。殺害されたのは秘密警察官のマフディ・サイード少佐で、胸ポケットには謎めいた文章が書かれた灰白色の紙が残されていた。ふたつの物語の断片に、一族の来歴、語り部による哀話や復讐譚を加えて構成された全304章が、百年にわたるシリアの人々・風土・文化が埋め込まれた壮大なモザイク画となる。今世紀最大級の世界文学第一巻!
著者等紹介
シャミ,ラフィク[シャミ,ラフィク] [Schami,Rafik]
1946年シリア、ダマスカス生まれ。1971年にドイツのハイデルベルク大学へ留学する形で亡命する。文学集団“南風”を仲間と立ち上げ、外国人労働者によるドイツ語文学の先駆けとなった。受賞歴も多く、ドイツ語を母語としないドイツ語作家に贈られるシャミッソー賞の、第1回(1985年)では奨励賞、1993年には本賞に輝く。『愛の裏側は闇』の英語版に対してブック・オブ・ザ・イヤー賞銀賞(2009年)とIPPYゴールドメダル賞(2010年)、2011年には作家としての全活動に対して「忘却に抗して―民主主義のために」という賞を受けている
酒寄進一[サカヨリシンイチ]
1958年生まれ。ドイツ文学翻訳家。上智大学、ケルン大学、ミュンスター大学に学び、新潟大学講師を経て和光大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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