領主館の花嫁たち

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 331p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488010164
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

当主の妻が死去し、悲しみに沈む領主館を訪れた女家庭教師。癒しがたい傷を負った彼女は愛らしい双子の姉妹に心を奪われていくが、奇怪な出来事が頻発し……。巨匠最後の長編。

内容説明

一八四〇年、当主の妻を若くして失ったその領主館は、悲しみに沈んでいた。そして、愛らしい双子の姉妹の家庭教師として館を訪れたテティことテターマンもまた、癒しがたい傷を負う身であった。屈託なく懐いてくる、見分けがつかないほどよく似た双子の姉妹に、徐々に生きる希望を取り戻していくテティ。しかし、館に頻発する怪異が、テティと双子の姉妹の運命を、容赦なく翻弄していく…。呪われたヒルボーン一族だけが理解できる、恐ろしくも美しい秘密とは?巨匠ブランドが持てる技巧のすべてをつぎ込んで紡ぎあげた、予測不能、美麗にして凄絶なゴシック小説。巨匠の最後の長編、遂に登場!

著者等紹介

ブランド,クリスチアナ[ブランド,クリスチアナ] [Brand,Christianna]
1907年マラヤ(現在のマレーシアの一部)生まれ。イギリスに帰国後の17歳のとき父が破産。自活のため保母兼家庭教師やモデル、ダンサーなどさまざまな職業を転々とする。1941年『ハイヒールの死』で本格的に作家デビュー。以後オールタイムベスト級の傑作を次々と発表し、女流ミステリ作家としての確固たる地歩を築く。また、1972年から73年までCWA(英国推理作家協会)の会長を務めた。1988年歿

猪俣美江子[イノマタミエコ]
慶應義塾大学文学部卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nuit@積読消化中

61
呪われた一族の領主館が舞台のゴシック・ロマン風ゴーストストーリー。『ねじの回転』や『レベッカ』を期待して、前半は不幸な死につきまとわれた一族を見守るべく、一気に読み進めたけど、後半からはびっくりするぐらいに豹変してしまったティティや自分勝手な双子の姉妹の悲劇に感情移入できずに最後まで読み終えてしまった。呪いをかけた幽霊のせいにしているけど、実はそういうことだけでもないような救いのない人間の愛憎劇。けど、こういう雰囲気のゴシックホラーは時々読みたくなるので嫌いではない。2016/03/18

藤月はな(灯れ松明の火)

53
呪いの根源から恋愛での鞘当てでの策謀にかけての転がる石のような不幸。特に欲しがりで自分勝手なリネスと一番、好きだったローレンスへの献身として地獄を選んだクリスティーンが痛々しすぎて(泣)「もう、クリスティーンを追い込まないで!」と心で絶叫しながらテティの「何か酷いことをしたなら・・・」という弁明に救いのなさを感じました。被害者が受けた疵は加害者は完全に分かることはできない。だからこそ、加害者であるテティやリネスは「赦し」という言葉は安易に使ってはいけなかった。それは加害者側に都合のいい免罪でしかないから2014/05/31

星落秋風五丈原

49
双子の娘達の所に家庭教師テティがやってくる。彼女は頬に傷があったが、見えない部分=心にも傷があった。やがて彼女は領主から結婚を持ちかけられる。とくると、まるで『ジェイン・エア』のようだが、前半を引っ張るテティはつつましやかなテティにはならなかった。権力を握った途端に強気に攻める彼女のシーンは正直小気味良かった。今回の場合は特に、小出しにリベンジしておいた方がいい。「小出しにリベンジ」を選ばなかったある人物達のせいで、花嫁たちは館に囚われることとなったのだ。最後までいい人とが登場しない分親しみが感じられる。2017/01/02

Norico

38
ゴシックロマン?ゴシックホラー?オカルト的な雰囲気の作品です。海外ものだからか、字が多かったのか、読むのに時間かかりました…。テティの途中からの変わりっぷりが、呪いのせいかもしれないんだけど、どうしても納得できなくてモヤモヤとしちゃいました。あと、姉のものをなんでも欲しがる妹の身勝手さにイライラ(笑)そりゃあ怒るよ、最後には…2015/04/09

いっくん

27
ヒルボーン家に家庭教師として訪れたテティ。クリスティーンとリネスの双子の姉妹。250年前の呪いに絡め取られたアバダールの領主館。やがて双子の姉妹にも冷たい手が…。巧緻に組み立てられたプロットに痺れました。何処までも優しいクリスティーン、我儘放題のリネス、人が変わってしまったテティとか人物造形も素晴らしかった。ただ、技巧に走りすぎた様な気も…。何はともあれ、雲が晴れたようなラストにホッとしました。ミステリでは無いブランド、堪能しました(^_^*)2017/05/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/7852711
  • ご注意事項