出版社内容情報
王都ダイヤモンドで王の魔法使いになったヘリオットは、ある日市場で街に生きるひとりの少年に出会った。一方狂気の王子ダイサードは領主の娘リネットとの仲を深めていく。
内容説明
ホード王国の三人の王子。王太子たる第一王子、“英雄”の座を狙う第二王子、“狂気の王子”と呼ばれる第三王子。“狂気の王子”ダイサードと王都ダイヤモンドにやってきたヘリオットとの出会いが、ホード王国の運命を変えた。2度のカーネギー賞、国際アンデルセン賞に輝く著者の傑作異世界ファンタジー。
著者等紹介
マーヒー,マーガレット[マーヒー,マーガレット] [Mahy,Margaret]
1936年ニュージーランド生まれ。図書館員として働くかたわら、絵本や子ども向けの本を執筆。図書館をやめてから執筆に専念。1982年に『足音がやってくる』で、1984年に『目ざめれば魔女』(共に岩波書店)で、二作連続してカーネギー賞を受賞した。2006年には国際アンデルセン賞を受賞。その後も多くの作品を書き続けたが、2012年に惜しまれながらも亡くなった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
86
佐竹美保さんの表紙からダイアナ・ウィン・ジョーンズのような物語を想像していた。ファンタジー世界ではあっても、胸踊る冒険とは違う趣き。ドラゴンを倒すとか姫を守るというようなわかりやすいゴールがない。登場人物が皆自分探しをしていて、不本意な人生に翻弄されている。下巻ではある人物の意外な過去が世界の秩序を大きく変えることに…。完全な人格となった魔法使いのその後が読みたかった。しかし物語はどこかで終わらなければならない。2015/12/05
のこ
16
片田舎に住む少年・ヘリオットは昔から奇妙な夢ばかり見ていた。ある日頭の奥に隠れていた分身が目覚めたのを知る。その分身が持つ力が、ヘリオットを王都ダイヤモンドへと導く。■上下巻併せての感想。まず言いたいのが、登場人物多い…!ずっと混乱して人物一覧を何度も見ました。■分身は目覚めているけれどまだ完全な力を持っていない。どうすればいいのか、とヘリオットが葛藤します。わりと重めのラブファンタジーでした。世界観とか雰囲気は好きですが、人物達のテンションの変動に付いていけないときが多々ありました。2014/02/22
星落秋風五丈原
13
異世界のハイファンタジーであるが、青春小説としても読める。ヘリオットの成長は王国の行方をも左右する。 主人公と最も近しい関係になるキャラクターについては、上巻ではヘリオットにまとわりつく可愛い脇役かと思われたが、下巻で再登場した時に、本書はまたそのキャラクターの成長も描いていたと知る。善悪がわかりやすいキャラクターもいるが、その狭間で揺れる人物もおり、物語に深みをもたらしている。 2014/08/21
がる
11
これからどう話が広がっていくのか、それぞれのキャラクターがどういかされていくのか・・・という期待をしつつ読んだのだけれど、これといった盛り上がりもなく、さらりと終わってしまった感じで何だか不完全燃焼・・・。んー?(^_^;)2014/06/02
詩歌
10
魔法使いとして政治に巻き込まれたヘリオット。力を蓄えるまでは、と潜んで蔓に縛られている印象。前巻から彼に寄り添っているケーリーがドロンと変身! 台詞も胸に迫る。最後にヘリオットは去り、ケーリーは勿論彼を捜し出す。ずっと土と植物の匂いを嗅いでいるようなお話だった。2014/05/15