緑衣の女

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  • サイズ B6判/ページ数 360p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784488010010
  • NDC分類 949.53
  • Cコード C0097

出版社内容情報

数十年のあいだ封印されていた哀しい事件が捜査官エーレンデュルの手で明らかに。CWAゴールドダガー賞・ガラスの鍵賞受賞作。世界が戦慄し涙した。究極の北欧ミステリ。

内容説明

住宅建設地で発見された、人間の肋骨の一部。事件にしろ、事故にしろ、どう見ても最近埋められたものではない。現場近くにはかつてサマーハウスがあり、付近にはイギリス軍やアメリカ軍のバラックもあったらしい。住民の証言の端々に現れる緑の服の女。数十年のあいだ封印されていた哀しい事件が、捜査官エーレンデュルの手で明らかになる。CWAゴールドダガー賞/ガラスの鍵賞同時受賞。究極の北欧ミステリ。

著者等紹介

インドリダソン,アーナルデュル[インドリダソン,アーナルデュル] [Indridason,Arnaldur]
1961年アイスランドの首都レイキャヴィク生まれ。父親は高名な作家インドリディ・G・トーステンソン。アイスランド大学で歴史学と映画を専攻し、新聞社に就職。その後フリーの映画評論家になる。1997年にレイキャヴィク警察の犯罪捜査官エーレンデュルを主人公とするシリーズ第一作Synir duftsinsで作家デビュー。3作目にあたる『湿地』と次の『緑衣の女』で2年連続してガラスの鍵賞を受賞。『緑衣の女』では、英国のCWAゴールドダガー賞も受賞している

柳沢由実子[ヤナギサワユミコ]
1943年岩手県生まれ。上智大学文学部英文学科卒業。ストックホルム大学スウェーデン語科修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

287
北欧ミステリの傑作らしいが、ひどく暴力的で あるのが心に痛い。発見された人の骨から 始まるエーレンデュル・シリーズ第二作は DVの連鎖である。事件の背後で見え隠れする 女の影..全編に白夜の雰囲気を感じるのは 北欧を意識し過ぎなのだろうか。虐げられた妻 とその子供たち..妻と子供たちがいつ立ち上がるのか、という 不気味な緊張感が読むスピードを加速させるが..ミステリーの形をとった第二次大戦時の 暴力と憎しみの連鎖の物語..だが最後は 小さな家族の愛の終わり方だった(2014年このミス海外第10位)2016/01/16

ケイ

132
最初から目が離せない展開。現在と数十年前の出来事が並行して進んでいく。交差するようで、なかなかしない。やきもきして先を知りたくなるが、作家が丁寧に書いているからだろうか、決して読み飛ばしたくはないストーリー。北欧(アイスランドも含めて)のミステリを読んでいると、いつも女性への虐待が容赦ないのが気になる。男女の機会均等や男性の育児参加など、他の欧米諸国よりもはるか先にいっているのに、見えないところではこんなに酷いこともまかり通っているのかと、矛盾を感じてしまう。2015/07/21

冴子

120
前作に続いて。読みやすいし、謎解きも無理はない。ただ意識不明の娘のエピソードが挟まれることで、集中力が削がれる気がする。アイスランドは日本の1/3位の面積に30万人位しか住んでないし、殺人事件も年に2〜3件位だとか。平和そのものだから、ミステリーはあくまで絵空事なのだろうか? 『湿地』も古い事件だったし、今回も70年前の事件を掘り起こすことに意味はあるのか? 実際時効とかないのだろうか? DVの凄まじさに眉をひそめる思いだったし、全体に暗いのだが、グイグイ読み進められるのは、筆力の高さ所以だろう。2016/07/05

R

102
70年前の事件が突如明らかになる。突然に発見された謎の白骨から、過去にその場所で何があったか、悲劇的な過去の物語と現代を交差しながら、謎が明かされていく。これもアイスランド特有といえるのか、どんな昔のことでも辿ることができてしまう、人間の変化が少ないというべきか、ゆっくりと広がってきた街が過去を掘り返したといった感じが面白かった。暗く重苦しい雰囲気のまま進むが、この淡々とした物語を好きになってしまう。2020/11/17

ふう

92
幼い子が人骨をしゃぶっている…。冒頭から暗く悍ましい出来事に気が滅入りながらも、ページをめくる手が止まりませんでした。「湿地」に登場したエーレンデュルが、今回も自分の過去と家族の闇を引きずりながら、怖ろしい事件をコツコツと丁寧に探っていきます。ミステリーというよりも、アイスランドの風土や歴史が生み出した悲しい家族の物語を読んでいるようでした。暴力を受ける妻の痛みと恐怖心、母親を守ろうとする子どもたちの思い。こんな光のあたらない場所で生きていて、叫び声さえ届かない人々がいたこと、今もいることがより恐怖です。2016/04/09

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