感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
misui
5
フロイト・ユングの流れを汲んで、「なにかを象徴する」象徴言語としての夢の解読を論じる。読みにくいがわりと入門書的な内容で、フロイト・ユングの学説、夢解釈の歴史、解釈の実例、そして神話やおとぎ話の読解まで扱っている。ざっと目を通しただけなので理解が雑だが、夢解釈を含む象徴言語の読み方についてのものと考えたほうがよい。というか夢解釈っていくらでもこじつけができるし、話術とか芸に属するものだと思うから、なんとなく徒労感があるんだよな。2013/10/30
アルゴス
1
フロイト左派のフロムの夢分析論。ユングは名前だけで、基本的にフロイトの夢分析の手法に依拠している。ただしフロイトは性的な解釈に進む傾向があるので、それを夢の象徴言語の分析という方向で是正する。ごくまっとうな分析姿勢であり、フロムがアメリカで成功したのは十分な理由がある。自由論とか愛の理論とか悪の理論とか、どれもフロイトの理論をわかりやすく一般向けに手直しして、のみ込みやすくしている。フロム、いかにも巧みである。2017/12/02