出版社内容情報
身体の仕組みから、進化、行動、人間との関わりまで--全6章で網羅する、美しき「アリのビジュアルガイド」
私たちの足元に広がる、小さくも壮大な世界。少し目を向ければ誰もが見つけられるアリだが、その精緻な身体の仕組みや、驚くほど高度な社会性について、私たちはどれだけ知っているだろうか。
『ANTS アリの世界 ビジュアルガイド』は、そんな身近にして謎に満ちた昆虫のすべてを、圧倒的なビジュアルと全6章に及ぶ緻密な解説で解き明かす決定版である。
本書の最大の魅力は、アリの生物学と生態のあらゆる側面を網羅した、その圧倒的な情報の深さにある。
第1章「アリとは何か」では、攻撃や防御、移動のための驚くべき身体構造(体外のつくり)から、体内のしくみや生殖システムまで、まずはその「個体」としての完成度に迫る。続く第2章「進化と多様性」では、アリがなぜ地球上でこれほどの優位に立ち、繁栄できたのかという「革新的な進化とその代償」を、5大亜科の紹介や化石記録、島嶼での分布パターンから紐解いていく。
第3章「生活史と繁殖・成長」で明かされるのは、コロニーの構築や真社会性、カースト制度、さらには働きアリの略奪といったライフサイクル。第4章「行動」では、アリたちのコミュニケーション手段や、視覚の活用、記憶、そして独自の「社会胃」による栄養交換などの社会システムが鮮やかに描かれる。
そして、科学的研究が盛んな分野に触れる第5章「生態」では、アリ同士のニッチ(生態的地位)の分割や、他の生物との共生・敵対関係、さらには環境破壊による種の保全問題にまで言及。最終第6章「アリと人々」では、農業や文化、芸術における関わりから、現代の市民科学の歴史、侵入種問題まで、アリと人間社会の深い結びつきを照らし出す。まさに、マクロからミクロまで、アリを巡る知的探求がこの一冊に凝縮されている。
また、各章の最後を飾る「アリのプロフィール」という試みが、本書の図鑑としての価値をさらに高めている。絶滅した「ジゴクアリ」の亜科から、現生の主要な「属」にいたるまで、現時点での最先端の科学知識の限りを尽くしたデータ(分布、生息環境、食性、巣の傾向)を公開。人目につきにくい彼らの秘められた生活を、美しい写真とともに深く掘り下げていく。
監修を務めるのは、気鋭の昆虫学者・丸山宗利氏。読みやすさを追求し、すべての分類群に和名を網羅した本作は、初心者には楽しく美しいビジュアルブックとして、自然科学ファンには深く体系的な学術書として、一生物の価値を持つだろう。ページをめくれば、いつもの散歩道が、未知なる驚きに満ちた「生命の帝国」へと姿を変えるはずだ。
【目次】
はじめに
CHAPTER 1
アリとは何か
CHAPTER 2
進化と多様性
CHAPTER 3
生活史と繁殖・成長
CHAPTER 4
行動
CHAPTER 5
生態
CHAPTER 6
アリと人々



