出版社内容情報
畏怖との遭遇、反射する憧憬
日本から外国へのまなざし、外国から日本へのまなざしを、歴史と地域を横断して幅広く解き明かす10章。先人たちや現在の日本人が、古来外国をどのように見て、感じてきたかを、その表現から解き明かす一冊。
日本文学史の中のエキゾチシズムという主題を、古代から現代の漫画までバリエーションに富んだテーマで展開している。
例えば、奈良時代の平安貴族が「檳榔」に感じた異国への幻視から、明治期の芥川文学における異国の身体観、中島敦の描く南国、そして現代については漫画『鬼灯の冷徹』の地獄観などが取り上げられている。執筆陣も、様々な国からの研究者が多くを占めている。また、留学生たちから見た現代日本のレポートは、新鮮な視点を我々に与えてくれるだろう。
エキゾチシズム研究において新たな論点を加える一冊になるであろう。
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外国との交流と、外国への憧憬、そしてその裏返しにある外国への畏怖といった感情について、これまで我々の先人が古来外国をどのように見て、感じ、思考し、受け入れ、そしてそれを表現してきたか、このような機会にちょっと立ち止まって考えてみたらどうか。(中略)本書はさらにコロナ禍の中、日本で苦労して勉強をつづけた広島大学留学生の原稿をコラムとして掲載している。エキゾチシズムに浸る日本人と対照的に、外国人がどのように日本を見ているか、という点を我々のまさに足元から見てみよう。(「はじめに」より)
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