ゲノムでたどる古代の日本列島

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ゲノムでたどる古代の日本列島

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  • サイズ 46判/ページ数 288p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784487816613
  • NDC分類 210.3
  • Cコード C0040

出版社内容情報

人類が初めて日本列島にやってきたのは約4万年前。
日本列島のはじまりを築いた人々は、どんな生活をしていたのだろうか。
ゲノムを読むと何がわかるのか?
話題の「古ゲノム学」とは何か?
研究者が「ゲノムを読む理由」とは?
日本列島人の起源と成立をさぐる研究プロジェクト「ヤポネシアゲノム」のメンバーによる、珠玉の科学エッセイ集。

「一段落した調査現場で、私は温かい缶コーヒーを飲みながら考えた。誰が一体なんのためにこんな墓を作ったのだろうか。なぜ中妻貝塚に作られたのか。これだけの人骨はどこから運ばれてきたのか。以前より浮かんでは消えていた謎が、頭の中をぐるぐる巡る。」
――山田康弘 〈第1章〉縄文時代を「掘る」 より


「お酒に弱い、という遺伝的変異は、何かに強かったのではないか? それは、何かはわからないけれど、何らかの感染症と関連するのではないか、と考える事は、それほど馬鹿げた空想ではない。十分に検証するに値する仮説だ。それでは、東アジアでは、お酒に弱いことが、何に強かったといえそうなのだろうか?」
――太田博樹 〈第2章〉お酒に弱い遺伝子とウンチの化石のゲノムから何がわかるか より

「ゲノムとは生き物の設計図である。血液型がA型だったりB型だったり、目の色が黒かったり青かったりするのは、それぞれ設計図であるゲノムのどこかに違いがあるからだ。植物でも同じことで、設計図が部分的に書き換わってしまう(突然変異という)ことによって、色や形や大きさに違いが生まれる。逆に言えば、設計図を読み解くことで、姿形の違いや環境への適応能力の違いが進化したのかを理解することができる。ゲノムを読む、とはそういうことなのだ」
――内藤 健 〈第3章〉アズキはどこで生まれたのか より

「ウルシ(Toxicodendron vernicifluum)が日本で塗料として用いられ始めたのは、遅くとも縄文時代早期という、かなり古い時代であるとされている。多くの読者は、このような「高尚な」文化は中国伝来であるという先入観を持つかもしれない。しかし、実は遺跡に残された遺物の古さだけを見ると日本のものの方が古い可能性もあり、漆文化は日本発祥では、という説を唱える研究者もいるほどである。」
――菅 裕 〈コラム〉漆の過去・現在・未来 より

DNAは、その人骨の遺伝的特徴を知るための手がかりとなる情報である。そのため、DNAをうまく回収し、その塩基配列を決定し、その配列情報を使った研究でうまく「調理(料理?)」してあげれば、その人骨のルーツや我々現代人との関係を語ってくれる。この場合、おいしい食材はDNAであり、料理のための道具類はDNA配列を決定するためのシークエンサや解析するための統計ツールになるだろうか。
――神澤秀明 〈第4章〉日本列島人はどこから来たのか より

目次

第0章 日本列島のはじまり
第1章 縄文時代を「掘る」―どうやって考古学者になり、なぜ墓をテーマに研究することになったか
第2章 お酒に弱い遺伝子とウンコの化石のゲノムから何がわかるか
第3章 アズキはどこで生まれたのか―植物遺伝学で読み解く縄文時代の食文化
第4章 日本列島人はどこから来たのか

著者等紹介

斎藤成也[サイトウナルヤ]
1957年福井県生まれ。国立遺伝学研究所名誉教授・特任教授。琉球大学医学部客員教授。さまざまな生物のゲノムを比較し、人類の進化の謎を探る一方、縄文人などの古代DNA解析を進めている

山田康弘[ヤマダヤスヒロ]
1967年東京都生まれ。筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科中退、博士(文学)。現在、東京都立大学人文社会学部教授。専門は先史学。縄文時代の墓制を中心に当時の社会構造・精神文化について研究を行う一方で、考古学と人類学を融合した研究分野の開拓を進めている

太田博樹[オオタヒロキ]
1968年愛知県生まれ。東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻修了、博士(理学)。1992年に古人骨DNA分析をテーマに研究を開始。ドイツ・マックスプランク進化人類学研究所やイエール大学医学部、北里大学医学部での研究を経て、現在、東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻教授

内藤健[ナイトウケン]
1978年滋賀県生まれ。農研機構遺伝資源研究センター上級研究員。京都大学大学院農学研究科修了、博士(農学)。主な研究テーマは食糧問題解決へのヒントを探るべく、海辺に生える野生アズキ類の耐塩性。近年、東京大学新領域科学研究科客員准教授として学生への指導にも力を入れている

神澤秀明[カンザワヒデアキ]
1984年埼玉県生まれ。国立科学博物館人類研究部研究主幹。総合研究大学院大学生命科学研究科遺伝学専攻修了、博士(理学)。専門は分子人類学。日本列島を中心とした古代人のゲノムを分析し、古代人と現代人との遺伝関係から集団の成立の解明を試みている。雑誌「科学」(岩波書店)等に寄稿

菅裕[スガヒロシ]
1972年広島県生まれ。県立広島大学生物資源科学部教授。博士(理学)。京都大学卒業後、バーゼル大学(スイス)、バルセロナ大学、進化生物学研究所(ともにスペイン)を経て現所属。動物は進化の過程でどのようにして多細胞化したのかを研究テーマの主軸に据える一方、ヤポネシアゲノムプロジェクトでは、分子生物学の技術を活かし、ウルシのゲノム解読を行った(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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さつき

65
古代人骨や彼らが栽培していた小豆などの植物のゲノムの研究者達による回顧録のような読み物。どんな子供だったか?どうしてその研究を始めたか?どんな事に苦労しているか?など研究者達の肉声が聞こえるようで面白かったです。縄文人の多数合葬墓や栽培アズキの起源は日本なのでは?という話しが特に印象的でした。2023/11/29

きみたけ

47
とても面白かった。著者は、国立遺伝学研究所名誉教授・特任教授で琉球大学医学部客員教授の斎藤成也先生ほか5名。日本列島人の起源と成立をさぐる研究プロジェクト「ヤポネシアゲノム」のメンバー6人による科学エッセイ集。特に野生アズキ類の耐塩性を研究されている農研機構遺伝資源研究センター上級研究員の内藤健先生が面白く、川上和人先生の「鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ」をもじって、「アズキの研究者だからって、アズキが好きだと思うなよ」と煽ってました。2024/11/03

翠埜もぐら

16
日本人がどこから来たのかを詳しく語るのかと思っていましたが、今、どういう研究がどういう風に行われているかという話でした。最近読んだの人類進化の本にも、ゲノムで解析する話が多かったのですが、実際どういう物かは全く分からなかったので、ゲノムの抽出方法から国を超えた研究者のネットワークによって成り立つ解析まで、大変興味深い話でした。現在進行形の話なので、「論文発表するまでちょっと待ってね」的なところもあってやや肩透かし。でも最近は素人向けの本でもリアルタイムな話題が多くなって嬉しいかぎり。こうなると続編に期待。2023/11/28

ダージリン

7
ゲノム解析技術の進展で多くのことが分かるようになってきた状況を知ることができた。TVでも取り上げられていたのを見てはいたが、縄文人がかなり古くに分岐していたというのが明らかになったのは面白い。日本はかなり古い時代の石器も発見されているし、意外なルーツを持っているのかもしれない。今後の更なる研究の進展に期待したい。2024/09/08

蒼田 友

6
興味はあるものの、門外漢なので読み切れないかもしれないと思いながら手を出した。これが当たりで「研究現場の体験」が主軸の為、分かりにくい単語が出てきても中和され非常に読みやすく構成されていた。なので、物足りないという人も多いと思う。見たことある研究もあった。日本人はお酒に弱い遺伝子を持つものが多い。アズキが日本で生まれたなど。最初のお墓の話しは興味なかった分野だが、そそられた。小学生や中学生に触れて欲しい。研究には平気で10年費やしている描写もあるし、研究費の捻出が大変そうなのが辛い。2024/04/28

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