出版社内容情報
本書は、2009年4月に発行された『授業に活かす!理科教育法』の新訂版です。
新指導要領に対応して内容を一新いたしました。
本書は、
1.大学での中高「理科教育法」関係のテキスト
2.中学・高等学校の教員が理科の授業をとらえなおすための基本図書
として執筆・編集されたものです。
本書が目指したのは、文部科学省学習指導要領の解説ではなく、また外国から借りてきた一時的流行の理科教育論を紹介するようなテキストではありません。
理科の教職免許をとりたくて教職課程を履修している学生だけではなく、中高の現場で理科の授業をされている教師の皆さんにも役立つ内容になるように編集しました。
この種の教育の本には、見慣れない用語が目立ったり、論理展開や文章がわかりにくいものが多いのですが、本書は、あくまでも、現場で授業づくりの手がかりになるように、できるだけやさしく明快に書くようにしたつもりです。
わが国には、小・中・高の現場を中心に、楽しくわかる理科教育(自然科学教育)の実践・研究の誇るべき伝統と実績があります。
わが国の教員たちがこれまでに営々と築き上げてきた、それらの伝統と実績を踏まえた有効性のある理論と実践を、普通の言葉で語ろうとしました。
編集上、メインに据えたのは「理科の授業に活かせる」ということです。
自然および自然科学、教員、子どもの三者の格闘としての理科の授業について、すぐれた授業のイメージを喚起し、そのための教材研究や授業展開の技術やそれらの周辺の重要な事柄を伝えようと努めました。
本書の執筆者の多くは、小中高の現場出身であったり、いまも現場で授業を持ち、現場と密着して研究を進めたりしています。
教材を自分で選び、構成し、手づくりの教材で授業をするといった体験をもとに、教材づくり、授業づくりにかかわってきました。
大学で理科教育や教育方法を講じるとき、このような体験で得た創造的な喜びを学生諸君に伝えようと努めてきました。
また、教員対象の講座、講演会でも、空理空論にならないように、いつも理科の授業づくりの手がかりになるような理論や授業論、具体的な教材を紹介してきました。
私たちは、理科教育について完全に一致した考えを持っているわけではありません。
しかし、次のようなことを読者のみなさんに伝えたいという思いは共通しています。
・理科教育を構成する重要な要素は自然および自然科学、教員、子どもの三者であるということ。
・理科教育が、子どもにとっても教員にとっても、本当はとても素敵でおもしろいものであるということ。
・理科教育は、子どもたちが自然科学の基本的な概念や法則を体系的に学び、さらには自然界の全体像を構造的、歴史的にとらえ、それによって科学的自然観を身につけるものであるということ。
以上の思いをもって、学生のよき手引き書として、また教員のみなさんが理科授業を行うにあたっての手がかりの書として活用
内容説明
楽しく分かる理科授業を目指して。大学での理科教育法のテキストに、現場での授業づくりの手がかりに、活かせる一冊。
目次
序章 これからの理科教育
第1章 楽しく分かる理科授業とはどんなものか?
第2章 そもそも理科教育の目的・目標は?
第3章 学習指導案の書き方
第4章 授業のデザインと方法
第5章 探究活動と探究的な学習
第6章 理科の教材研究・教材開発
第7章 授業における安全管理
第8章 理科教育の周辺
巻末資料
著者等紹介
左巻健男[サマキタケオ]
1949年生まれ。千葉大学教育学部卒業、東京学芸大学大学院修了。東京大学教育学部附属中・高等学校教諭、京都工芸繊維大学教授、同志社女子大学教授を経て、法政大学教授(教職課程センター)
吉田安規良[ヨシダアキラ]
1972年生まれ。北海道教育大学大学院修了。北海道の公立中学校の教諭を経て、2004年から琉球大学教育学部講師。2007年から同助教授・准教授。現在、琉球大学大学院教育学研究科(教職大学院)教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 和書
- アウシュヴィッツの歯科医