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内容説明
自閉症スペクトラムの少女が成長するまでには乗り越えねばならないことがいろいろあります。特に思春期の少女には支えるべきことが多くあります。しかし、少女の実態の把握と支援への取り組みは、これまであまりされてきていませんでした。本書は、少女の支援に長年取り組んできた著者たちの豊富な実践に裏打ちされた世界に類を見ないガイドブックです。タブーとされがちな性の問題も正面から取り上げ、非常に詳しく具体的な対処の方法が書かれています。第9章の当事者母娘の手記は、読むだけでも胸が詰まり感動を覚えるものです。本書は、親御さんをはじめ、本人、教師や教育関係者、医療・療育にかかわるすべての臨床家、福祉行政関係者にとって、とても頼りになる相談相手となることでしょう。
目次
第1章 自閉症スペクトラムの少女についてわかっていることは?
第2章 思春期へ:予感、不安、適応、そして…受容?
第3章 思春期:「パパとママはあなたがここにいるって知っているの?」
第4章 赤い点々:生理、ナプキン、下腹部の検査
第5章 外も中も気持ちよく:自己受容と自信
第6章 思春期の社交事情:友だち関係と社会的ステータス
第7章 健全なセクシュアリティ
第8章 現実社会での安全を確保する
第9章 私たちの道のり:アスペルガー症候群の少女とその母の手記
まとめ 変化に取り組む
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しいたけ
83
自閉症スペクトラムに性差があり、男子に目を向けた対処論のもと、女性だと診断名さえつきにくいという。脳の器質の違いなどで分かっていることをさらっと挿みつつ、生活の中で起きやすい問題、事例や対処の重要点が詳しく書かれていた。うちのホームにいる子もそれぞれ過敏になる点を抱えている。入浴や着替えを嫌がること、ブラを受け入れるのに何年もかかること、生理前後に精神のバランスが一般より大きく崩れること等、本に書かれていることを「そうそう!」と共感して読んだ。うちの場合は中高生になってからのお付き合い。対処が難しい。2022/09/24
くさてる
22
まさに題名通りの本で、自閉症スペクトラムの少女が体験する思春期から大人になるまでのさまざまな体験や場面についてのサポートがとても細かく解説されています。日本とは文化的にずれがあるところもあるかと思います。が、本当にさまざまなことが丁寧に語られているので実用的です。そしてだからこそ、これだけの困難が彼女たちを待ち受けており、かつて少女だったひとたちはこれを通過してきたのかと思うと苦しい。第9章の当事者の母の手記は本当に辛く、でもリアルで力強く、たまりませんでした。おすすめです。2022/07/26
山崎にう
6
購入。Twitterで存在を知り、もはや自分は大人になったけれど得るものはあるだろう、と。やはり、ASDの女の子は生理で悩むこと多いんだな。私もPMSや生理痛がつらく、ピルも合う合わないがあって、自分に合う種類に出会ってから「生理中なのにこんなに体が動いてイライラしないなんてことあるんだ…!」と衝撃だった。ファッションに興味ない、友だちがそんなに必要ない。私が学生の時にこの本が親の手に届いていたら…!高校時代「制服のスカートを短くしろ」としつこく親に言われてクソムカつくこともなかったろうなあ!2022/04/21
Covastra
5
悲しい。思い当たる項目がいっぱいある。年齢的には思春期を過ぎているけど今でもこの本参考になる。泣きたい。2011/09/16
小鳥遊小鳥
4
第9章(アスペルガー症候群の少女とその母の手記)の途中までという中途半端なところで放り出して随分経ってしまったので改めて通読。日本でも最近『女性のアスペルガー症候群』という本が出版されたりしていますが、こちらの本では女の子特有の問題、思春期特有の問題についていろいろな角度から取り上げられています。読まずに放置していた第9章の手記は、読んでいるこちらもつらくなるような、身に詰まされるような内容でした。ある程度読解力のある方が読まれるなら、日本で最近発売された本よりも、こちらの方がお勧めです。2015/10/06