内容説明
天文学的確率によって出会った二人、キョウコとコウイチ。宇宙の始まり、宇宙の果て、相対性理論、インフレーション理論、人間原理、科学とは何か?科学の限界とは?…などなど、宇宙と科学をめぐる議論を重ねながらやがて二人は恋におちていく―。現代科学が到達した今一番新しい宇宙のカタチを極上のラブストーリーと、ビジュアル講義で描く。壮大で不思議でちょっとせつない10のレッスン。ALLカラー。
著者等紹介
佐藤勝彦[サトウカツヒコ]
1945年香川県生まれ。インフレーション理論の提唱などで知られる、宇宙論・宇宙物理学の世界的第一人者。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。東京大学大学院理学系研究科教授、日本物理学会会長などを歴任。現在、自然科学研究機構長。日本学士院賞(2010年)受賞
小阪淳[コサカジュン]
美術家。大阪大学工学部建築学科卒業。東京芸術大学大学院修了。「一家に一枚宇宙図」制作委員
片桐暁[カタギリアキラ]
東京造形大学卒業。東京芸術大学大学院修了。お菓子から宇宙まで、森羅万象を言祝ぐコピーライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
183
光の速さを超越するほど、あなたに恋をしてしまった。謎が深いほど惹きつけられる不思議な関係。果てしない空間にぽつんと浮かぶ星は互いに引かれ合いながら、放つ光は時空を越えて何処へ向かうのだろう。私たちはなぜここにいる。始まりと終わりが分からなくても目の前にあなたはいる。そんなことを考えていられるのも人間だけなのかな。膨張する宇宙で出会えた奇跡を語り合いながら神秘の愛は深まっていく。この手と手が離れてしまったら永遠に近づくことはできないの。恋の力さえ無力なのかな。無数の星が煌めく冬の空。遥か彼方を見つめている。2023/02/14
zoe
22
科学と東京芸大のコラボ。例えば、議論進行の横で、それを画として記録していく事であるとか、言葉をいくら並べても理解しづらい内容をイラスト一枚で理解できるようにする事であるとか、イメージ変換する力は素晴らしいと思う。そのような活動を宇宙についてしてみた。今、目に見えているものは、過去の状態。太陽は8分19秒前の姿。目の前の人だって、僅かではあるが、過去の映像なのである。人間は、何からできているのか?素粒子から。宇宙は137憶年前の3分間で全ての元ができた。その前の因果に、我々は遡れない。2020/01/11
浅見ヨシヒロ
9
意味もなく、最近宇宙のことが知りたくなっている。 そんなド文系の自分に、宇宙のさわり部分をフィクションを交えながら教えてくれたこの本に感謝したい。理系の人にとっては常識的なことも、自分には極めて新しい発見で刺激的だった。2016/12/16
もる
7
出会えてよかった本。最後は思わず泣き。物語パートと講義パートで章を挟みながら進みます。結構難しい!理解できてない部分も多いです(^^;でも素敵な言葉たちに会えました。「科学では仕組みを明かすだけで本当に知りたい、なぜそうなったかという究極の答えは見つけられない。なのに何故探求をやめられないのか」「科学と芸術は、似ている。どちらも自分の宇宙を求めている」「宇宙を見ることは、果てを見ているようで遥か昔の始まりに繋がっている」言葉尻は違いますがこれら言葉たちが引力となって、私に壮大な宇宙を見させてくれました。2015/11/10
Tomoko 英会話講師&翻訳者
6
物語はサクサク読めたが、解説はなかなか手ごわい。しずく形とすりばち形。2019/04/27