内容説明
「音楽」は、ヴェルディの「黄金の翼」だった。「音楽」にのめりこむ時、彼は飛翔した。人の心に分け入り、天空を翔け、そして地獄も見た。
目次
開花(生誕;少年の夢 ほか)
模索(囚われの時代(「第一次十字軍のロンバルディア人」「エルナーニ」;「二人のフォスカリ」「ショヴァンナ・ダルコ」「アルツィラ」「アッティラ」)
改革者への道―「マクベス」 ほか)
充実(瘤を背負った道化師、あるいは愛しすぎた父―「リゴレット」;歌を極める―「トロヴァトーレ」 ほか)
頂点、そして…(咆哮する死―「レクイエム」;復活、そして頂点―「オテッロ」 ほか)
著者等紹介
加藤浩子[カトウヒロコ]
慶応義塾大学、同大学院修了(音楽学)。在学中、オーストリア政府給費留学生としてオーストリア・インスブルック大学留学。現在、慶応義塾大学、早稲田大学、洗足学園大学講師。音楽評論家。日本音楽学会、日本ペンクラブ会員。『音楽の友』、日経BP社のメールマガジン『Biz Tech』ほか雑誌への寄稿、プログラム、CDやDVDの解説を手がけるかたわら、バッハ、ヴェルディのゆかりの地をめぐる音楽ツアーの同行講師をつとめる。現在、鈴木雅明氏との対談集『バッハからの贈り物』、ヴェルディの「憩いの家」のドキュメンタリー『愛の家 音楽の家(仮題)』を準備中
若月伸一[ワカツキシンイチ]
写真家、エッセイスト。現在、フランクフルト在住
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感想・レビュー
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匠
122
ここ数年はオペラをよく聴いているのだけど、『椿姫』のタイトルをなぜ彼は『La traviata』(堕落した女を意味する)に変えたのか、それが知りたくて辿りついた本だった。ジュゼッペ・ヴェルディの活躍した時代背景とともに、彼の家庭環境や人間関係など踏まえ、その人間臭さ、魅力などもよくわかってとても楽しく読めた。それに何よりヴェルディへの著者の想い入れの強さに恐れ入る。写真も多く、文体も堅くなくて読みやすいので入門的にはオススメだと思う。2014/05/19
Kei
1
誤植がところどころ…最初は文章の修辞的安っぽさが目についたのだが、読み進めると著者の真面目で真摯なヴェルディへの態度に引っ張られて夢中になっていた。オペラや音楽の愛好家に多いスノッブな高慢さもなく、何より著者のヴェルディへの畏敬の念が感じられ、非常に好感がもてる。カラーでの写真も多く、とても良い本だった。楽しい読書だった。2012/07/22
うな坊
0
主観の強い文章がいやで、途中で止めました。2013/11/04