出版社内容情報
《能》は分からない,分からないから考える――。通奏低音として流れる様々な感情を,十二の作品から読み解くリンボウ先生渾身の作! 鬼才森田拾史郎の写真との響きを聞け!
目次
第一帖 隅田川の「哀しみ」に就いて考える
第2帖 小町の「醜さ」に就いて考える
第3帖 忠度の「潔さ」に就いて考える
第4帖 業平の「美男」に就いて考える
第5帖 融の「執念」に就いて考える
第6帖 鞍馬天狗の「同性愛」に就いて考える
第7帖 道成寺の「恨み」に就いて考える
第8帖 六条御息所の「苦しみ」に就いて考える
第9帖 田村の「めでたさ」に就いて考える
第10帖 経正の「未練」に就いて考える
第11帖 砧の「恋慕」に就いて考える
第12帖 熊野の「焦り」に就いて考える
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
めめ
2
写真が多くて眺めるだけでも楽しい。文字を追いながら舞台である能の世界を垣間見せてくれるみたい。「醒めた目で見た能の世界の腑分け」の本。六条御息所の苦しみの項が好き。セルフコントール出来ない哀しみ苦しみなのかなと思う。小町の醜さについて、の項も面白かった。美し過ぎた為に却って醜く変容せざるを得ない、とは厳しいなと思った。読み易くて面白かったです。ところで、この本の表紙が何故西洋の宗教画なのか気になる。2021/02/17
戸塚こだま
1
薄々感じていたことにしても、言語化してもらったお陰で見方がかなり変わった。2009/11/11