出版社内容情報
ドイツの街々を,旧西から旧東へ,北から南へ,また過去,そして現在にかけて往還する旅。名エッセイストによる深みのあるエッセイと,日常のスケッチでおりなす素顔のドイツ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
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文はドイツ文学者の池内紀。絵は喜多木ノ実。このシリーズの中では絵は少なめだ。池内紀の闊達な文章でたどるドイツ各地の風景は味わい深い。それぞれの街の歴史や文化をさりげなく語っていくのだが、それがけっして前に出ることはなく(語る池内氏自身もまた)、あくまでも中心にあるのは町そのものだ。先にこちら(秋/冬)を読んだのだが、季節感はほとんどないようで、便宜上このような分冊になっているだけのようだ。秋/冬を意識してのことかどうか、やや旧東独と、そして北の町が多いだろうか。いずれも魅力に富んでいる。2024/12/24