出版社内容情報
グラナダ近くの田舎町に移り住んだ著者が描く,スペインそのままの生活暦。それぞれの四季を彩る祭り,そして食べ物,暮らしの様々なモノたちを数多く紹介。
目次
春(アーモンドの開花前線;野草摘み;アンヘルの蜂蜜;小さな冒険旅行;金細工の耳飾り;田舎闘牛士;空豆)
夏(オリーブ畑;酒とバラの日々を送る男;無花果;午睡;パン;夜明けのフラメンコ;雌狐の埋葬)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
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アンダルシア(フェレイローラ村)在住の画家、石井崇の画文集。いつもながら絵は抒情に満ち、限りなく旅情を誘う。もう30年くらい前の本なのだが、この地域は今もそれほど変わっていないのではないかと思う。あるいは、思いたいのかもしれない。実際はスペインやヨーロッパ各地からの移住者が増え(実際に石井崇自身もその一人だ)よく言えばよりコスモポリタンに、そして悪くすれば地域の特性が薄められたりしているかもしれない。村の一日は平穏に暮れてゆき、夕べにはバールに集う。そんなアンダルシアの日常が詩情あふれる筆致で描かれる。2024/05/24