出版社内容情報
人類史上もっとも豊かな時代,ルネサンス期を築いた芸術家たちの生涯と全作品。初めて日本に紹介される作品図版も多数収録。新進の研究家による,新しい美術シリーズ。
目次
ポントルモとロッソ・フィオレンティーノ―「危機」の時代の画家
2人の初期作品
異なる道を歩む2人の画家―最初の個性の現れ
ポッジョ・ア・カイアーノにおけるポントルモの活動
ガルッツォのカルトジオ会修道院のための作品
形態の極限までの探究
ミケランジェロに対する省察
ポントルモのいくつかの肖像画
宗教画の伝統的図像とロッソ
ロッソの末期の芸術活動
ロッソの3点の肖像画
主要文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
215
同年(1494年)に生まれ、おそらくは共にアンドレア・デル・サルトのもとで研鑽を積んだポントルモとロッソ・フィオレンティーノ。画風も共通性を感じさせるが、並べてみることで違いもまた際立つ。様式的には初期マニエリスム。ここでも指摘されているように、ポントルモの描く人間のフォルムはたしかに彫像のごとき立体感を持っている。ロッソ・フィオレンティーノにいたっては、これがさらに徹底されたあまり、時にはキューブを感じさせたりもする。また、「栄光の聖母子」(エルミタージュ蔵)などは、バロックの到来を予告するかのようだ。2015/07/09